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なぜ『盗り鉄』は減らないのか?鉄道会社が直面する「不都合な現実」

曖昧すぎる鉄道古物売買の闇
杉山 淳一 プロフィール

鉄道古物商は零細企業が多く、ライバルとの連携など考えられない。あるいは、ライバルに構っていられないほど余裕もないかもしれない。しかし、誰かが音頭を取り結集すればできる。

そう信じる理由は、筆者がコンピューターゲーム雑誌の広告営業を担当していたときに、アダルトゲームの自主規制団体「コンピュータソフトウェア倫理機構(ソフ倫)」の設立を目撃したからだ。

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2009年当時、日本のPCゲーム市場のなかで、いわゆる18禁ゲームのシェアはかなり高かった。ただし、大手と呼ばれるメーカーはわずかで、残りは無数の零細ソフトハウスが群雄割拠の体を成していた。しかもメーカー間の派閥があり、仲も悪い。そもそも、あるメーカーの内部で対立していたグループが新会社を立ち上げるという事例が多かったから、メーカー同士の仲が悪くて当たり前だった。しかも社長の多くは血気盛んな若者たちだった。

そんななかで、露骨な性表現のゲームが摘発される事態が相次ぎ、流通業界から全面的な取引停止の検討が始まった。その危機に瀕して、けして良好とは言えない、むしろ険悪関係さえある人々が1つの会議室に集まり、自主規制団体をなんとか成立させた。内部事情を知っている私から見れば奇跡のような感動の場面だった。

 

それと同じことが、盗品疑惑に揺れ続ける鉄道古物業界でもできるのではないか、と期待している。まずは鉄道古物店が結束すること。そして鉄道会社と良好な関係を築くこと。鉄道会社としても、捨てる物が高く売れるなら悪い話ではない。そして鉄道古物商は安心して商売ができ、鉄道ファンは正々堂々と収集を楽しめる。誰にとっても良い話だと思う。