結婚したら「新しい姓」を作れる?フィンランドから日本が学べること

子どもに4つも名前をつけていい
岩竹 美加子 プロフィール

3. 事実婚の場合も、5年以上続いた関係であれば、同姓が可能になった。

以前は、事実婚の場合は、2人の間に子どもがいることが同姓の条件だったが、それは不要になった。法律婚と事実婚には、配偶者の扶養義務や遺産相続などに関する違いがある。

4. 子どもにつけられる名前の数が、従来の3つから4つに増えた。

子どもには、従来3つまで名前をつけることができたが、4つまでに増えた。これは、名前の数を制限していない国もあることを考慮に入れたものである。たとえば、女の子にソフィア・エーヴィ・エミリア・アイノのような名前をつけられる。呼び名は、最初の名前にすることが多いが、少し大きくなって自分で2番目、3番目の名前を選ぶケースもある。

フィンランドで、名前が一つだけというケースはとても少ない。名前が一つだと、質素な印象を受ける。

 

こうした流れを受けて、名前の性別にも変化が起きている。日本には、「泉」や「薫」のように男女別のない名前がある。フィンランドでは、従来男女名が厳格に分けられていたが、最近はヴィーマ、トゥリなど中性的な新しい名前も登場している。ただし、まだそれほど多いわけではない。ジェンダーの規範にとらわれたくない人達による動きのようだ。

子どもの名前については、不快感を引き起こしたり、不利益になったりするような名前をつけることは禁じられている。

〔PHOTO〕gettyimages

2018年の「姓名法」は、子どもの姓名なども含めて、ここには書ききれない様々なケースを想定している。フィンランドに 「家」や「戸籍」という制度はなく、名前は、それに縛られるものではない。

人の名前とは何か、時代に合わせてどう変えていくか、に関する根本的な考え方が違うと言えるだろう。 その中で、夫婦同姓か別姓かという問題は、ほんの一部のことにすぎない。

ただし、2018年の「姓名法」は、姓名に関してより寛容な一方、様々な制限もあることも明らかにしている。

たとえば、前の配偶者の姓を新しい配偶者の姓にすること、前の配偶者の姓を含んだ複合姓を作ること、前の配偶者の姓を含んだ複合姓を新しい配偶者の姓にすることは禁じられている。前の配偶者の姓を使っているのは、ほぼ女性である。

新しい結婚には、姓に関しては過去の婚姻関係を持ち込まない、という原則が感じられる。実際には、片方、あるいは双方が子連れで再婚することは多いのだが、姓には異なる原則が用いられているようだ。

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