結婚したら「新しい姓」を作れる?フィンランドから日本が学べること

子どもに4つも名前をつけていい
岩竹 美加子 プロフィール

結婚しても女性が旧姓のままでは、ミスかミセスかわからかない。別姓は、家族の結合を脅かし、その社会的な基盤を弱める。世界には名前に関する多様な慣習があるので、国連の条約に従う必要はない。フィンランドの伝統と特色を守りたい。多くの人が、現行の慣習に不満を感じていない 、などの反対意見が出された。

子どもの姓についても反対があった。子どもが母親の姓を名乗るようになると、バランスのとれた育成が脅かされる。父と子の絆が弱まる等である。

子どもが母の姓になった場合、摘出子と非嫡出子との区別がつかなくなるという意見もあった。現在、フィンランドで生まれる子どもの40%は婚外子であり、嫡出子か婚外子かは問題にはならない。しかし、80年代には、その区別が必要とする意見が国会で述べられていた。

議論は感情的なものになり、結論が出るまでに3年を要した。「姓に関する法律」改正案が国会で承認され、発効したのは1985年8月のことである。

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選択肢が増え、より平等になったが…

1985年の改正で選択肢が増え、結婚後の姓のあり方は、より平等になった。

男女共に旧姓を維持する、どちらかの姓で同姓にする、またはどちらかが複合姓にする、が新しい選択肢である。

両親が同姓を選んだ場合、子どもは両親と同じ姓になるが、別姓の場合、子どもはどちらの性にするかは、両親が決めることになった。

しかし、実際には1985年の法律改正後も、約半数の女性が夫の姓を名乗ったという。理由は、夫の姓の方が好き、一体感を持ちたい、伝統だから等である。夫が妻の姓を名乗ることも可能になったが、実際にそのケースは稀だった。

複合姓の場合は、妻が複合姓、夫は元々の自分の姓というパターンが大多数である。複合姓には、旧姓を先にするもの、夫の姓を先にするものの2つがあるが、前者の方が多い。

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