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中国政府が発表「国民の2.4億人が精神疾患の患者」が呼んだ波紋

看護体制は追いついていない

狂気は突然、小学生を襲った

2019年11月5日に湖南省の省都・長沙市で9歳の誕生日を迎えたばかりの小学4年生の男子児童が、同じ団地内に住む精神病者によって理由なく突然殺害されるという悲惨な事件が発生した。中国メディアが報じた事件の概要は次の通り。

事件は長沙市雨花区雅塘村に所在する滙城不動産が開発した上築住宅団地(以下「団地」)の5号棟で、11月5日の午後1時30分頃に発生した。

この日昼食のために雅塘村小学校から団地の14棟にある自宅へ戻っていた小学4年生の「羅希」(仮名)は、同じ団地の5号棟に住む同級生で、あだ名を「小満」という女子児童の家へ彼女を迎えに行った。

羅希は呼びかけに応じて家から出て来た小満と一緒にエレベーターで1階へ降りたが、1階のエレベーターホールで同じ5号棟に住む「馮〇華」に出くわした。

馮〇華は狂気に満ちた形相で2人を見ると急に襲いかかって来た。

 

突然の出来事に恐怖を感じた2人はエレベーターホールから5~6mの距離にある5号棟の出入口から屋外で走り出ると、別々の方向へ走った。2人を追ってすかさず屋外へ走り出た馮〇華は、標的を羅希に定めたが、身長178cmの彼にとって羅希に追い付くことは容易なことだった。

血相を変えて必死に逃げる羅希は5号棟の前にある花壇を2周してから方向を自宅の方へ転じたが、石段を上ろうとしてつまずき、転倒したところを馮〇華に捕まった。

馮〇華は羅希をセメント舗装の地面にねじ伏せると、恐怖に震える羅希に馬乗りになった。羅希は地面にねじ伏せられた時に後頭部を強く打って頭部から出血した。馬乗りになった馮〇華は左手で羅希の首を押さえ、右手に持った全長30cm程のネジ回しを振り上げると緩慢な動作で羅希の上半身を所構わず刺し始めた。馮〇華が羅希に馬乗りになっていた時間は15分程であったが、馮〇華は「アー、アー」という唸り声を発しながらねじ回しで羅希の身体をひたすら刺し続けていた。

馮〇華は巨漢で体重が102キログラムであるのに対して、羅希の体重は35キログラムに過ぎず、馮〇華が馬乗りになっただけで羅希は身動きできない状態であったが、ドライバーで刺されて致命傷を受けたのか、しばらくすると羅希は四肢を大の字に広げてびくともしなくなった。

馮〇華が羅希に馬乗りになって乱暴狼藉を続けていた最中に、その傍らの道路を黒い乗用車が通り過ぎて行ったが、運転手は、子供に馬乗りになってねじ回しを振り回す馮〇華を見ていたにもかかわらず、停車することなく通り過ぎて行った。

また、その現場を7~8人の建設労働者が野次馬として遠巻きにして眺めていたが、誰一人として馮〇華を制止しようとはしなかった。

「下手に制止に入って巨漢の加害者に逆襲されて怪我でもしたら、1銭にもならずに損するだけだから」という理由で野次馬に徹するのは、現代中国人の平均的な姿なのである。

倒れている老人を見付けても、救助した後で老人から「倒した加害者」にされて高額な医療費の負担を要求される危険を避け、老人が倒れていても救助せず、老人を放置したまま遠巻きにして眺めるだけの野次馬に徹するのが、中国で最も安全な保身術なのである。