ビリビリきた渡辺ペコさんの漫画

余計に腹が立ったのは、そういう展開をすでに私は物語で読んでいたにも関わらず、同じことをしでかしたから、だ。

渡辺ペコの『1122』という作品がある。結婚7年目の夫婦を描いた物語だ。主人公は、はたから見れば仲睦まじい”いい夫婦”である、相原一子(いちこ)と相原二也(おとやん)。実際、彼らはお互いに気配りを欠かさず、支え合い、愉快な会話に笑い合う、いい夫婦である。

しかし、彼らのそんな和やかな生活は「婚外恋愛許可制(公認不倫)」という一つの制度により成立しているものでもあった。

これは、セックスをしたくない妻が夫に提案したもので、その名の通り、パートナーが公認している不倫行為である。ルールはたったひとつ、家には恋愛を持ち込まない、ただそれだけ。

それにより、彼らは2年近くセックスレスの状態であったが、お互いに満たされた生活を送っていた。

しかし、そんな平穏も次第に翳り始める。

発端は、おとやんが恋に浮かれ始めたことである。家でもかまわず、不倫相手から連絡がくると顔をほころばせる。彼女とデートをしたいがために、いちこと約束していた温泉旅行を延期したいと言い始める。

おまけに、いちこがセックスに誘ったとしても、今度はおとやんが拒絶するようになってしまった。「減るもんじゃないじゃん」という彼女の言葉に、彼は「減るもんだよ」と返す。「何が」減るのかは言わなかったが、彼が不倫相手とのセックスに「心」までもっていかれているのは明らかだった。

もともとこの制度は、いちこがセックスをしたくないがために考え出したものである。また、彼のセックスを拒絶したときの彼女は「男には風俗もあるし」というようなことも言っており、これほどまでに不倫相手に熱を上げ始めるというのは想定外だっただろう。

モヤモヤするが、自業自得の部分もあり八方塞がり。そんな彼女は、半ば復讐のような形で、自分も外で恋愛をしてみようと、男友達をホテルに誘ったり、女性用風俗に足を運んだりし始める。