知らないことが起こす軋轢を被写体にしていく

今回で4回目となった写真展だが、宮本さんはすでに次回の写真展の構想もあるという。会場費、交渉から撮影まですべてひとりで行うのは相当の労力と費用もかかる。それでもこの一連の写真展を続ける背景には、世界的な社会派写真家オリビエーロ・トスカーニ氏の影響も大きいと宮本さんは言う。トスカーニ氏は、1983年から2000年までの間、ユナイテッド カラーズ オブ ベネトンの広告写真を手掛け、HIVや人種差別、戦争、死刑制度などそれまで広告ではタブーと言われた題材にチャレンジし、話題を集めた人だ。

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宮本さんは、ちょうどトスカーニ氏がそういった題材に果敢にチャレンジしていた1990~91年 に渡伊し、オリビエーロ・トスカーニの元で写真を学んでいる。帰国後は、広告や雑誌で、ファッションやビューティーなどの撮影を中心に活躍してきた。

「影響はあるとは思います。さらに言えば、出版不況で広告や雑誌の仕事は残念ながら減っています。生活は厳しくなりますが、逆を返せば、時間があるわけです。そんな中で、改めて自分は何を撮りたいのか、という問いかけはありましたね。

別に世の中を自分の写真で変えようとか、感動ポルノ的なメッセージを送りたいわけでもありません。でも、自分もそうですが、知らないことは意外と多い。そして知らないことで、決めつけや差別などを無意識にしていることもある。そんな気づきになればとは思っています。賛否あって当然だとも思っています。個々それぞれさまざまな思いを持ってくれればと思います」

あなたは『いい夫婦の日』写真展で何を思うだろうかーー。

「いい夫婦の日」写真展
日時:2019年 〜11月24日(日)
場所:東京メトロ表参道駅コンコース B3出口前

Profile

宮本直孝(みやもと なおたか・写真左)フォトグラファー 1961年静岡県生まれ。1990年~1991年に渡伊で、オリビエーロ・トスカー二に師事。広告、雑誌等メディア媒体などで活躍。また、オープンスペースでの写真展も精力的に活動。2010年 「Fill the Cup with Hope」 WFPチャリティ写真展 、2012年 「ロンドンパラリンピック選手写真展」 、2016年 「Portraits of Refugees in Japan‐難民はここにいます。」 、2017年「母の日 – I’m a mother of a child with Down syndrome」など。