「就活自殺」を救えるか…「大量エントリー・大量落ち」の残酷な現実

学生は内定獲得までに13社落ちる…?
トイアンナ プロフィール

15人に断られ続ける経験に耐えられるか

想像してみてほしい。

あなたが、15社へ営業をかけたとする。その15社は「取引先を募集しています!」と大々的にうたっていた。だが、いざ営業に向かうとお断りされる。それも、何時間も面談し、先方のために専用の書類を作り、あとは契約書に判を押すだけ……というタイミングで「やっぱり決裁が下りなくて」と言われたら、どうするか。

筆者は5社目で1度、心が折れるだろう。そのまま営業は続ける。打開策も練るだろうし、「まあ、景気が悪いからね」と愚痴ってやりすごす。だが、それは給料が出る仕事だからだ。

 

しかし、これが就活だったらどうか。入社までの期間、特に給与も出ず、むしろ勉強する時間を削りながら足を何度も企業へ運ばねばならない。テレビ局などの一部業界では、8次面接まで面談が続く。もちろんそこには8回目で「やっぱりなかったことに」と、落とされる学生もいるのだ。

そのシチュエーションを想像するに、病まない方が難しいのではないか。タフな一部の人を除き、精神疾患にはならないまでも「やってられねえ」と嘆きたくなりはするだろう。しかし、それが就活では全学生に降りかかる。

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学生の期待値と、現実のギャップ

先ほど、現在は「大量エントリー、大量落ち」を前提とした就活のシステムをご案内した。実はこのしくみ、学生にも知られていない。というのも、就職活動期間は半年~1年。学生は毎年入れ替わるため、就活業界の知識など知る前にエントリーが始まるからだ。

その結果、学生は「これだけ好景気と言われているのだから、数社エントリーすれば内定するだろう」という期待値で就職活動を始める。だが、そこから落ちに落ちて15社に断られるのだ。準備不足だった学生は、30~50社落ちることも珍しくない。

人が絶望感に苛まれるのは、期待値と現実のギャップが激しいときだ。「絶対に通らないだろう」という気持ちで受けていれば、落ちても「そのとおり。でも残念だったね!」と傷つかずに済む。だが、逆に楽観視して就職活動を始め、次々に断られたら……?