中国・習近平「ウイグル人に容赦するな」極秘文書流出、衝撃の全貌

「弾圧マニュアル」も作られていた
奥山 真司 プロフィール

もちろんニューヨーク・タイムズ紙自身は、トランプ大統領からロシア疑惑の報道について「フェイク・ニュース」と何度も決めつけられているわけだが、とりわけ「対北京」という点においては、トランプ政権と歩調をあわせた動きを見せている点は留意しておくべきだ。

非難された側である北京の反応としては、日本の外務省にあたる外交部の報道官が、記者からこの記事に関する質問を受けて「フェイク・ニュースだ」と断定し、その時の様子を国営メディアである「環球時報」(Global Times)が英語記事の中で引用している。

 

日本は何をすべきか?

今後の展望についてであるが、文書の中にもあるとおり、習近平は2014年から始めた今回の弾圧について「海外の批判を無視せよ」と命じている。残念ながら、「ウイグル問題は国内問題である」として、引き続き厳しい締付けを行っていくと思われる。

さらに、北京政府は現在継続している香港の民主化デモに関しても、香港警察を使って厳しい締付けを行っている。北京においては、この2つの案件は「分離独立派の鎮圧」や「対テロ対策」という意味合いにおいてつながっているという認識が持たれている可能性もある。

その点において、香港のデモに参加している学生たちが今回のものを含むウイグルに関する一連の報道を受け、「ウイグルのように弾圧されて世界から忘れ去られたくない」と発言しているのは興味深いと言えよう。

では、これらを踏まえて日本はどうすべきか。

ウイグル人への弾圧は、世界的にみても歴史に残る人権弾圧・人権侵害であるとして、日本政府が声を上げるべきであることは間違いない。

ところが安倍総理率いる日本政府は、習近平の国賓待遇での訪日が来年に控えていることもあり、今回の記事から推測されるような中国の人権侵害については「中国の国内問題である」として、何か特別に発言をするとは思えない。

西側諸国の社会の一員である日本が、倫理的・道義的な観点からできることはただ一つ──日本のメディアがこの問題をさらに報じ、取り上げ続けることだ。

日本の世論の中で、この隣国の「恐るべき人権侵害」の実態が広く知られるようになれば、たとえば将来日本のトップが中国側と何らかの交渉をする時に、

「うちの国民(とメディア)が、あなたの国の人権問題で騒ぎますので」

と一言述べることによって、相手に圧力をかけるための「外交カード」の一枚となり得るからだ。

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