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司法試験と公認会計士試験、明暗分かれた“士業”どちらが生き残るか

抑制か拡大か

合格者増が受験者数増をよぶ

いずれも難関な試験で知られる弁護士と公認会計士の試験の結果が大きく明暗を分けた。会計士の合格者が4年連続の増加となる一方、弁護士資格を得るための司法試験の合格者は4年連続の減少となった。合格者数に対する業界の姿勢が反映されている。

公認会計士・監査審査会が11月15日に発表した2019年の公認会計士試験の合格者数は、1337人と前年から32人増えた。2015年の1051人を底に増加に転じ、2012年の1347人以来7年ぶりの高水準となった。

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合格者に占める女性の比率は23.6%と、2006年に新試験制度に移行して以降、最高となった。合格者の平均年齢は25.2歳だった。

1999年以降、政府の方針もあって、弁護士や会計士といった専門職の人数を大幅に増やす施策が取られた。

会計士試験も2006年には前年に8.5%の合格率だったものを一気に14.9%に引き上げ、合格者を1308人から3108人に増やした。ところが2008年のリーマンショックを機に、資格を取っても会計事務所に就職できない「浪人」が発生。2010年以降合格率を引き下げ、合格者数を絞り込む流れになっていた。

 

ところが、合格率が下がると共に、大学生らが試験の難易度が高まったことを敬遠、試験を受ける人の数がみるみる減少した。2010年に2万5648人を記録した願書提出者数は2015年には1万180人にまで低下、1万人割れが目前に迫った。若者の公認会計士離れが鮮明になったわけだ。

これに危機感を抱いた日本公認会計士協会や監査法人は、合格者を増やすよう金融庁などに働きかけを始めた。その結果、合格者が増え始めたのである。合格率は再び11%前後になり、受験者数が増加に転じたというわけだ。