妻はやって当然、夫がやると褒められる。
それってどうなの?

——褒めたほうがいいのは重々承知ですが、妻がやる家事は褒められない……。

野々村:たしかに、こっちは褒められたことないですね。洗濯物を畳んでも『洗濯物畳んでくれたん? すご〜い』とか言われたことないし(笑)。でもね、まずそこはグッとこらえて。向こうは何も知らないんだ、家事について無知なんだって思わないと、腹が立つ一方なんですよ。

こっちはこんなに忙しいのに、なんでスマホ見ながらソファに寝っ転がってんの。忙しいのは見たらわかるでしょ!って、ガシャガシャガシャン、ガシャガシャガシャンって食器洗いの音を大きめに立ててみたりする。そこで旦那さんは初めて「あれ? なんか機嫌悪いな」って思い始めて、家の中によくない空気が淀み出すんです。

娘さんに作ったお弁当。彩りがよく、卵焼きのハート型に愛を感じます。写真提供/野々村友紀子

——妻がなぜ機嫌が悪いかを夫は分かっていないもの。それでは食器洗いの音を大きくしても無駄骨。野々村さんは結婚当初から旦那さんを褒めていたんですか?

野々村:最初は無理でしたよ。旦那を見てると『ちょっと時間あるならやってよ』『立ったついでにやれよ』とか、そんなんばっかり思ってました。「私ばっかり」って言ったら相手は「俺だって」ってなる。うちの旦那さんは私が怒って何か言うと黙るタイプだから、それにこっちもイライラしてケンカになってしまう。

人を動かすには褒めて、強制しない。これが一番かなと思います。当たり前のことかもしれませんが、洗濯物を畳んでくれていたりしたら『ありがとう』ってちゃんと言葉にして、「それそれ、それをやってほしかってん!」ってことを褒めることで際立たせる。そうすると、こんなことでこんなに褒められる、そして嫁が笑ってる、それならやろっかなって思いますよ、旦那さんは。そうやって褒めのフラグみたいなのをどんどん立てていくと、そこに立ち寄るようになっていくんです。