〔PHOTO〕iStock

「文化系」がひと昔前の「体育会系」になっている

若者の「文化系離れ」が起きている?

文化系が“体育会系化”している

尊敬するライターであり『モヤモヤするあの人』(幻冬舎)の著者、宮崎智之さんのSNS投稿に激しく胸をうたれた。こんな投稿だ。

彼らしく、平熱なようで、エモく、「そうそう」と膝を乱打したくなる内容だった。自分のここ数年の問題意識とも重なる。なんと、ご本人と編集者からこのテーマでの執筆依頼をいただいた。昔のmixi風に言うならば、バトンを受け取った気分だった。

左系知識人だと呼ばれる私だが、文化系か体育会系かといわれると、文化系だと思っていた。しかし、この「文化系」という言葉にモヤモヤしていることもまた事実だ。

文化系は、分野を意味する言葉だが、その姿勢は多様である。TBSラジオで13年続く「文化系トークラジオlife」という番組がある。社会学者鈴木謙介氏がパーソナリティーを務める。番組のコンセプトは、“学生時代の文化系の部室でのおしゃべりのような空間・時間をつくる”というものである。この原稿のきっかけとなった宮崎智之さんはレギュラー出演しているし、私も年に1、2回のペースで出演している(一時は毎月出演していた)。

〔PHOTO〕「文化系トークラジオlife」公式サイトより
 

たしかに、この番組の空気感は楽しい。思えば、高校時代、軽音の部室で楽器をいじりつつ音楽談義をしたのは楽しかったし、大学時代のプロレス研究会の部室で、誰が最強かを語り合ったのは楽しかった。他愛もないようで、楽しい時間だった。

もっとも、同番組に出ていて、「これは本当に文化系なのか?」と思う瞬間はあった。文化系トークのためには知識が必要だ。さらに、深夜から早朝まで語り続ける行為は体育会系そのものだった。番組の収録から早朝、帰宅するたびに妻からは「文化系ではなく、体育会系じゃないの?」と言われたこともある。