ある小学校4年生の男の子の実話である。友人宅のマンションに遊びに行き、部屋で相撲をとっていたら、友人のお母さんに「下の人の迷惑になるから外で遊んでいらっしゃい」と言われたという。確かにドスンドスン音がしてしまうとクレームがくるかもしれない。

そこでマンションの周りでおにごっこをしたら、マンションの住人に「公園へいけ、ここは遊び場じゃない」と怒られた。午後まだ早い時間だったので公園に場所を変えた。大声で走り回ってたら「声がうるさい」「小さい子がいるのに危ない」と言われ、仕方なくボールでリフティングをしたら「ボールを蹴るな」と言われたという。まるでコントのような展開だ。

それでは現代の子どもたちってどうやって遊んでいるのか。そしてそれは「不健康」なのか。自ら小学2年生の男の子の父親である海猫沢めろんさんの実体験から伝えてもらおう。

海猫沢めろんさん原作・ホストの子育てを超リアルだけどあり得ない展開で描いた漫画『キッズファイヤー・ドットコム』試し読みはこちら

「子供を外で遊ばさんといかんで」

先日、インフルエンザの予防接種を受けるために訪れた病院の待合室でのことだった。おとなしくゲームをしていたうちの子供を見て、見知らぬ老人がぼくに話しかけてきた。

「あんた、子供にゲームばっかりやらせとらんで、外で遊ばさんといかんで」

突然の説教口調に戸惑っていると、

「このくらいの歳だとボール遊びとか、かけっことかさせんと」

と続ける。

思わず、「大丈夫です! やってます! ゲームのなかで!」と言いそうになったが、面倒なことになりそうなので、

「いやー、でもおじいちゃん、最近はそういうの難しい時代なんですよ」

とお茶を濁したのだが、よくわからんという顔をされた。

広い場所と、周囲の理解。それは子どもの外遊びには間違いなく必要なもの Photo by iStock


確かにおじいちゃんの言うことも理解できなくはない……だが、本当に時代が違うのである。

帰ってくるなり玄関にランドセルを投げ捨て、「いってきまーす!」と、元気よく公園に出かけていく子供。その背中に投げかけられる「宿題やったの!?」という母親の言葉もむなしく、日が暮れるまでサッカーや野球や鬼ごっこをしては泥だらけで帰ってきて「もう!こんなに汚して! はやくお風呂に入りなさい! 宿題も終わってないでしょ」なんて怒られながらも、夕食を家族みんなで囲む……。

おじいちゃんの想像する昭和的風景は、おそらくこのようなものだろう。
しかし……残念ながらこんな風景は令和には存在しようがない