中国で広がる顔認証のシステム、その利便性と「潜在的危険」

「超監視社会」が現実のものに
野口 悠紀雄 プロフィール

顔認証によるさまざまのメリット

顔認証は、小売店の業務を効率化する。QRコード決済では1人あたりのレジ処理時間が5.6秒かかったが、顔認証では、それが2.8秒に短縮したという。

商店側にすれば、レジの処理時間が短縮されることによって、人件費を抑えることができる。 客の立場からすれば、行列で待たされる時間が短くなるわけだ。また、店員がいない無人店舗が可能になる。

 

顔認証の利点は、客のデータを自動的に収集できることだ。決済をするだけで、自動的に客が誰であるかを把握できるのだ。

これによって、さまざまなことが可能になる。例えば、クーポンなどの優待策だ。これまでは、クーポンを配布するために会員カードを使っていた。しかし、客がカードを提示してくれなければ、クーポンを配布できない。

それに対して、顔認証では、カードの提示がなくとも、客に優待クーポンを直接に配信できる。

これ以外にも、客のデータが収集できれば、品揃えに用いたり、個別の販売促進策を行なうことなどが可能になる。