避難できない足かせ?「ケージ」問題の誤解

ペットを受け入れてくれる避難所があったとしても、どの避難所も「動物はケージに入れて」という管理をお願いしているところが多い。しかし、「1週間分以上の水やケージ、トイレ用品、フードなどを持って避難をすることは実際には困難だ」と言う人は多い。

中でもケージは金属製だと、ロータイプのものでも重さは6kg以上になる。大型犬になれば、相当重たいものになるだろう。それも持って、今回のような暴風雨や冠水の中、避難はできない。

では、どうすればいいのだろうか。避難をする目的で考えると判断がしやすい。水害や地震の後の二次被害など、とにかく危険から生き延びるため安全な場所へ避難するときには、家族やペットと貴重品、最低限のトイレ用品と飲食物を持って安全な場所へ素早く避難するしかない。この緊急時には、重たいケージではなく、移動に適しているキャリーバッグに動物を入れていっしょに避難する。まずは身を守ることが最優先と考えることが必要だ。

災害が去った後、避難所にまだ滞在する場合は、自宅に戻れる状況下であれば、ケージ、必要なフード、水、トイレ用品などを取りに戻ればいいのだ。さらに長期で避難生活になる場合は、避難所にペットと共に身を寄せるのか、安全なところにペットを預けるのか、自宅の安全が確認できて戻るのかなどの判断をしていくといいだろう。

東日本大震災での犬のシェルターの様子。避難所でもこのようなケージでの滞在が想定される。撮影/山内信也

避難所で動物による苦情などの問題は、長期避難などで発生することが多い。だからこそ、命の危険がある緊急時にはペット連れの人を自治体も拒否しないでほしい。拒否することにより人命が危機に晒され、後から大掛かりな救助活動が必要になってしまうケースもあるのだから。