ペットがいる世帯だと地域に共有しよう

災害の規模により避難して来る住民の人数、動物の頭数によって対応が違って来るのは当然だ。また災害時は状況が刻々と変化するため、その都度対策を変えていくことも必要になる。

例えば、
①人数や頭数が少ないときは飼い主と一緒に同室で避難してもらう
②想定数に近くなってきたら、少しでも収容数が上げられるように策を練る
③収容数以上になった場合は、受け入れを不可にして他の避難所へ誘導する
というのが、望ましい避難時の対応の基本的な流れだ。

しかし実際には、その地域で動物と暮らしている人がどれだけいて、どのくらいの数の動物がいるか予測がつかないのが現状だ。また、ペット同行できる避難所が決まっていない地域も多くあり、いざという時に避難所に向かったものの「動物は外に繋いで下さい」という状況が生まれてしまう。豪雨、台風、猛暑、極寒の状況下では、「外に繋いでください」は動物たちの命が危うくなることなので、受入拒否と同じことになってしまうのだ。

犬は畜犬登録があるが、猫などは、住民票などの届出がない分、行政も把握できてない。だからこそ、飼い主も「待っているだけ」「どうにかしてくれるはず」と受身になっているだけでは話は進まない。自治体が行っている避難訓練に、ペット同伴であえて参加してみる。そして、そのとき担当者にペット同伴の避難について詳しく話をまず聞いてみるといいと思う。そこに不備があれば改善要求を自治体に提出するのもいいだろう。

災害時は、緊急事態なので、行政の担当者もひとつひとつの声に耳を傾けることは難しい。冷静に話ができるときに、自分の避難環境を詳しく調べ、整えておくことが人だけでなく、動物を助けることにもなるのだ。

行政だけじゃない、飼い主のマナーも変わらないと!

SNSの書き込みでも多かったが、避難をためらう理由として一番にあがるのが、「うちの子は騒いでしまうから」、「興奮してしまうに違いない」という声だ。確かに、災害時に避難所のような場所へ集まって興奮しない動物はいない。人間も興奮状態だ。しかし、そういった状態ではなくても、人や他の動物を見ると吠え続けて飼い主が阻止できない犬も少なくない。

これはケージの中で落ち着いていられる練習を飼い主が行っていないともいえる。犬の場合、他の動物や人に興奮しすぎないよう日々の生活の中で社会性を身につけていくことで、無駄吠えなどをしにくくなる。また、寝るときはケージを使うなど、日常の中でケージに入ることに抵抗をなくしておくことも必要だ。

犬以上に知らない人の前では隠れたり、緊張しやすい猫は、普段から十分なスキンシップを取り、触ったり、抱き上げたりすることに慣らしておくことも必要だ。キャリーバッグを常に部屋の中に置いて、入ることに慣らしておくこともぜひ行ってほしい。避難しようと思ってもキャリーバッグに入れなければ、連れて行くことはできないのだから。

キャリーバッグをベッド替わりにするなど、日常的に慣れさせることも必須だ。photo/iStock

今回の災害で、ある学校を利用した避難所で、ペット同行避難に開放した教室に、ペットの糞尿やペットの毛が散らかり、その後の掃除がとても大変だったと職員が上げたコメントが話題になった。

排尿のしつけは、飼い主の責任だ。汚れたままで放置して帰るなど言語道断だ。毛の散らかりも日頃きちんとケアをして清潔に保ち、汚れたら掃除をする。避難所で苦情が出る問題の多くは、動物自体ではなく、飼い主の務めを行なっていないのが原因だ。そのせいで避難できずに危険な目に遭う動物がいたとしたら、愛情にあふれた良い飼い主と言えるだろうか。災害が起きてから慌てるのではなく、普段から家族である動物と一緒に備えてほしい。