台風19号の豪雨災害から1か月を過ぎたが、災害を受けた地域では未だに復旧が進まず、日常を取り戻せない方も少なくない。

今回の災害では、避難所の場所や数、対応などの課題も浮き彫りになった。中でもSNSなどで話題になったのが、ペットの避難問題だ。開設された避難所に行ったもののペット同伴で受けれを拒否されたケースがSNSなどで数多く上がり、「ペットも家族」、「災害時は人間が優先」「動物アレルギーもあるのだから安易な受け入れは心配」などさまざまな意見が持ち上がった。

災害から約1か月、台風15号で団体が管理する動物シェルターが被災し、台風19号では東京渋谷区の動物シェルターも避難勧告を受けたという特定非営利活動法人ランコントレ・ミグノンの友森玲子さんとともに、動物と避難の問題について、改めて考えてみたいと思う。

台風15号で千葉のシェルターで被災を経験した犬も日常を取り戻した。写真/ミグノン

ペットとの避難。
スムーズだった渋谷区のケース

私が主宰を勤めている『ランコントレ・ミグノン』は、渋谷区千駄ヶ谷にある。今回の台風19号で、渋谷区はレベル4の避難勧告が出た。幸い渋谷のシェルターは、建物の入口が高いところにあり、さらにガラスにもワイヤーが入っている。最悪な事態を想定しても、まずは安全だろうということで、避難所を利用することはなかったが、この渋谷区のペット同行避難の対応が非常にスムーズだったと、話題になった。

実際にミグノンのクリニックによく来られる患者さん(Aさん)は犬といっしょに避難されたという。家にひとりで犬と共にいたAさんは、避難勧告が出たため、不安になり渋谷区のホームページを開いた。そこには「ペットも家族なので一緒に避難するように」と、ペット可の避難所のリストが掲載されていた。事前に電話で問い合わせをするように書かれていたため、最寄りの小学校へ連絡をした。

連れて行くにあたりどうすればいいかを尋ねると「ケージに入れていただければペットも大丈夫です」との返答であったという。しかし、ケージを所有していなかったため、「キャリーバッグしかない」と伝えたところ、キャリーバッグでも問題ないとのことで避難を決意した。

キャリーバッグに入れた犬を背負って小学校へ到着。すると、「ペットがいる人は理科室へ」と案内された。ペットがいる人といない人とで部屋が分けられていたのだ。マットも貸してもらい夜の理科室でドキドキしながらも、自宅で不安な夜を過ごすよりもとても安心して過ごせたそうだ。深夜には台風が通り過ぎ、雨が止んだために家に帰るか迷ったけれど、その夜は避難所で過ごしたという。避難所のスタッフの方がとても親切で、自宅に被害はなかったものの思い切って避難してよかったとAさんは語っていた。