地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。
"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。
この日、オランダの探検家アベル・タスマン(Abel Janszoon Tasman、1603-1659)が、オーストラリア南東にある大きな島・タスマニア島を発見した日と言われています。

タスマンが訪れたころ、すでに今のオーストラリア西海岸「新オランダ」が発見されていましたが、そこが伝説上の南半球の大陸「メガラニカ(Magallanica)」かどうか、当時の人々は半信半疑でした。そこで、オランダ東インド会社はタスマンにオーストラリア西部の調査を依頼、その探検によってタスマニアが発見されました。
当初は、オランダ東インド会社総督アントニオ・ヴァン・ディーメン(Antonio van Diemen、1593-1645)にちなんで 「ヴァン・ディーメンズ・ランド」と名づけられました。しかし、後にイギリスが植民する際に「タスマニア島」と改名、オーストラリア連邦の成立によってタスマニア州となりました。
タスマニア島には、隔離された環境下で進化した特異な動植物が数多く見られ、なかでも夜行性の大型肉食獣タスマニアデビル(学名:Sarcophilus harrisii)が有名です。古くはオーストラリア大陸とその周辺とその一帯に生息していたと思われるものの、ヒトの進出によりタスマニア島に追われ、そこで生き残っていたと考えられています。
フクロオオカミ(学名:Thylacinus cynocephalus)も同じような系譜をたどってタスマニア島だけに生息していたとみられていますが、こちらはヨーロッパ人の進出と開拓によって数を減らし、1930年代に飼育下のものが死亡して絶滅となったと思われています。


タスマンは、1642~1643年にかけての探検航海でタスマニア島のほか、ニュージーランド、トンガ諸島、フィジー諸島などに、ヨーロッパ人として初めて到達、上陸しました。
しかし、その翌年の彼の探検航海の後は調査がなされず、18世紀のジェームズ・クックまで本格的な探検は行われませんでした。
