47都道府県でのディレイ・ビューイング

そんな、真夏の夜の夢のような作品が、何と年末、全国47都道府県の映画館での「ディレイ・ビューイング」されることになった。「ディレイ・ビューイング」とは、すでに開催されたコンサートや舞台を、後で「時間差」で上映すること。「行くことができなかったから見たい」「もう一度見たい」というリクエストから上映されることが多いという。

このニュースを聞いた時、「氷艶」のすばらしさを体感した身としても、実はかなり驚いた。その理由は、どんなイベントでも、47都道府県のすべてで実施されることは多くはないからだ。

その点をこの上映を主催する「ライブ・ビューイング・ジャパン」に聞くと「確かに47都道府県のすべてで上映することは稀有です。現在は映画の作品数が増えており、映画館が増えても上映が追いついていない実情がある。それ故47都道府県でいっせいに中継を行うのはなかなかむずかしいのです。でも氷艶は非常に映画館の反応がよく、実現しました」。

高橋大輔さん本人も「氷艶ロス」

その開催に先立ち、11 月 6 日に、主演の高橋大輔さんが登壇するトークショーとディレイ・ビューイングの先行上映会が行われた。この日のチケットは、映画館の席数にあわせた500枚ほど。試合やショーなどで数千枚瞬殺という高橋大輔さんのイベントで、その枚数は殺人的な倍率である。

殺人的な倍率をくぐりぬけたファンに囲まれた高橋さん (C)氷艶 hyoen2019 -月光かりの如く-

イベント直前の西日本選手権に、高橋さんは捻挫で出場できなかった。しかしトークショーでは、元気そうな姿で登壇し、ファンはほっと一息。出場できなかったことへの謝罪と、12月の全日本に最善を尽くしたい旨からトークが始まった。ちなみに、高橋さんは来年からアイスダンスへの転向を表明しているので、今度の全日本はシングル選手としては最後の試合になる可能性が高い

司会をつとめた日テレアナウンサーによると、今回のディレイ・ビューイングは氷艶を大画面で見たい方たちからの熱烈オファーによって実現したそう。夏の公演後のあいさつで「3日間なんて短すぎる。まだまだやりたい」と言っていた高橋さん自身、氷艶ロスになり、1週間ほど毎晩舞台の動画をみながら「楽しかったな」と思い返していたという。他の出演者たちもSNSで同じ思いを綴っていたことも、いかに充実した公演だったかを裏付ける。公演約1ヵ月前から合宿をはり、スケートと演技の稽古をみっちり行っていたことが、より深い関係性を養え、濃密な舞台になったのだろう。