2019.11.22
# エンタメ

『プリキュア』最新作が伝える、女性が「自分で道を切り開く」ヒント

向井千秋 × プリキュアP対談
向井 千秋, 柳川 あかり プロフィール

プリキュアの中のダイバーシティ

向井 『プリキュア』も、どこにでもいるような女の子たちが宇宙で様々な困難にぶつかり、道を切り開いていくんですよね。ところで女の子たちは何に立ち向かうんですか。

柳川 相容れない価値観を持つ異星人です。異星人自体に立ち向かうというよりは、彼らが持っている「主義主張」に立ち向かっています。

 

向井 異星人=敵、という単純な構図ではなく、「相容れない価値観」に対峙するんですね。

柳川 「良い地球人vs.悪い異星人」という対立構造にしたくなくて、プリキュアのメンバーにも異星人がいるという設定を選びました。メンバーには地球人の子のほうが多いんですが、今年は5人中2人が異星人という設定。地球人の子にも、外国にルーツを持つ子がいたりと、ダイバーシティに富んだメンバー構成になっています。

向井 それ、すごくいいじゃない! 私がよく言っているのは、「同じことは慈しむ、違いからは学ぶ」ということ。なんでもいいんですけど、たとえばともにタラコが好きだったら「アナタもそうなんだね、嬉しいな」と楽しむ。一方で、学びの好奇心は、「私は髪が長いのが好き、でもアナタは短いのが好き」という「違い」から生まれることが多いと思うんですよ。

この違いが一番生まれるのって、どういう相手だと思いますか?

柳川 生まれ育った環境や、言語が違う相手、とかでしょうか。

向井 意外かもしれませんが、私が宇宙飛行士を経験して感じたのは、職業からくる文化の違いの大きさだったんです。たとえば軍人と軍人以外の職業人では、同じことでもアプローチの仕方が全然違います。先生とエンジニアでも、エンジニアと政治家でも、ものの考え方やアプローチがまったく違う。男女や、日本人とアメリカ人といった違い以上に、職業からくる違いってすごくあるんです。

柳川 たしかに、分からないことがあったときの対応一つでもすごく違いそうですよね。

向井 そう、そうするとすごくぶつかるわけ。みんな、「私たちはこういうふうにやってきて上手くいってきた」という自負があるから。でもそうやってぶつかることこそが大切。ぶつかると大変なんだけど、自分が今まで一方向からしか見られていなかったものが、別の角度から見て「こういう見方もあったんだ」と気づけるから。

柳川 意外とこっちのほうが上手くいく、ということもありますよね。

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