2019.11.22
# エンタメ

『プリキュア』最新作が伝える、女性が「自分で道を切り開く」ヒント

向井千秋 × プリキュアP対談
向井 千秋, 柳川 あかり プロフィール

アニメの「女性像」はどう変わったか

柳川 先ほどもお伝えしましたが、実は宇宙を題材にしようと思ったのは、向井さんの存在が大きいんです。プリキュアという存在が単なるファンタジー上のヒロインではなくて、作品を女の子たちにとってリアリティのあるロールモデルであってほしいな、という思いがあって。

向井 それは光栄です。

 

柳川 もう一つ、日本の女性の理系教育の問題にも関心があったことも影響しています。ニュースなどでもよく言われますが、日本の女性の理系教育は他の先進国と比べて遅れています。そういった自分自身の関心もあって、今回のプリキュアで宇宙を題材にチャレンジしたいと思ったんです。

向井 とても素敵なチャレンジですね。私は女の子にも、もちろん男の子にも、自分の進む道は自分で探してほしい、もっといえば「道がないところ」には自分で道を作って進んでほしいと思うんです。

もちろんそれは大変なことです。でも、そうすると振り返ったときに「これは私が作ってきた道だ」と自分は何か成したと思えるじゃない? すでに出来上がっている広い道を進むのはラクかもしれない。

でも、他人が歩んでいた道を漫然と進んでいると、途中で「あれ、これどこの道だっけな?」と忘れちゃうかもしれない。自分や、あるいは仲間と作っていったほうが、「あの切り株、必死で持ち上げたよな」とか「みんなで草をかき分けたな」とか、明確に自分がやってきたことを意識できて、とても楽しいと思うんですよね。

柳川 『プリキュア』を見ている子には、そういう「自分の道は自分で決める」勇気を持ってもらえたらな、と思っています。

向井 アニメにはそういうパワーがありますよね。私はディズニーアニメが好きでよく見ていたんですけど、ディズニーヒロインって世の中の状況を先取りしていると思うんですよ。

柳川 たしかに、初期の頃のシンデレラや白雪姫から、だいぶ女性像が変わってきていますよね。

向井 昔の「王子様を待っている」キャラクターから、20世紀末の『ムーラン』のように、一生懸命戦って男性社会に斬り込んでいく女の子が登場しました。『ポカホンタス』もよく印象に残っていますね。とくに私はポカホンタスがカヌーに乗って川を下るシーンが好きです。川が二手に分かれて、どっちの道を行くかと迫られたとき、彼女は知らないほうの道を選ぶんです。知らない道は怖いけれど、何か違うものがあるかもしれない。そうやって、自分で自分の道を切り開いていく女の子が描かれているんですよね。

柳川 でもそれが、実は一番難しい……。

向井 おっしゃる通り。自分で切り開きたいんだけれども、なかなか一歩を踏み出せないと悩んでいる女の子は多いですよね。そういう子たちがアニメを見たことで「信じれば変われる!」と思えたら、素晴らしいですよね。

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