大人気アニメシリーズ『プリキュア』。今年放送の『スター☆トゥインクルプリキュア』は宇宙がモチーフですが、プロデューサーの柳川あかりさんによると、宇宙が題材に選ばれたのには宇宙飛行士の向井千秋さんからの影響があったといいます。プリキュアに込められた、女性が自分で道を切り開くことの意味、そして多様性の時代に生きる秘訣とは? 柳川さんと向井千秋さんが語り合いました。
向井 柳川さんがプロデュースされている『スター☆トゥインクルプリキュア』ですが、「プリキュア」というのはメンバーの総称なんでしょうか?
柳川 はい、作品に登場する戦う女の子たちの総称で、「pretty(かわいい)」と「cure(治す、癒す)」をつなげて縮めた造語です。『プリキュア』シリーズは、簡単にお伝えしますと、どこにでもいるような女の子たちが戦士に変身して敵に立ち向かっていくという話です。毎年モチーフが変わっていて、今年は宇宙や星座を題材にしているんです。実は、作品に宇宙を取り入れたのには向井さんの影響もあり、それで今回こうして対談をさせていただくことになりました。
柳川 向井さんは幼い頃から宇宙に興味を持たれていたんですか?
向井 実は、小さい頃はまったく天体少女ではなかったんです。でも今考えると、ガガーリンが宇宙に飛んで「地球は青かった」と言うのを聞いたり、アポロ11号が初めて月面に着陸するのを見たりと、エポックメイキングな時代に感受性の強い時期を過ごしたので、宇宙との出会いは驚きを持って刷り込まれていたんでしょうね。だけどその頃は宇宙飛行士になりたいなんてことは思っていなくて、ずっと医者になりたいと思っていました。
柳川 それが、何がきっかけで宇宙飛行士に…?