2019.11.23

最強のチーム(組織)が、なぜか絶対に「思いやり」を大切にするワケ

運は親切をした相手の背中から来る
大原 浩 プロフィール

チームワークの基盤

1歳以下のハイハイをしている幼児を対象にした実験がある。

幼児の前を大人が横切って、ハンカチをわざとポケットから落として立ち去ろうとする。すると幼児たちは、ほぼ例外なく、そのハンカチを落としたことを大人に知らせたり、拾ってその大人に渡そうとする仕草をする。

チンパンジーにも同じ実験を行ったがそのような行動は見られなかった。

もちろん、幼児にそのようなことを教えたわけではないから、この「おもいやり行動」は人間のDNAに刻み込まれた本能なのである。

愛くるしい幼児たちならともかく、職場の同僚や知人たちの顔、さらには政治家、官僚・役人の行動を思い起こすと、読者がにわかにこの事実を信じられない気持ちはよくわかる。

それでも、人間は生存本能に関わる利己心と同じような本能として「思いやり」を持っているのである。

 

サルの集団というのはせいぜい数十匹。数百匹の集団ともなれば巨大である。ところが、人間の集団は、古代ローマ(都市)でも、最盛期に100万人ほどの人口を抱えていたとされる。

現代では、日本を含めた数億人以上の集団(国家)が多数存在する。このような巨大な集団は、人間特有と思われる「思いやり」なしでは成り立たなかったのではないかと思われる。

歴史では、権力者が武力で制圧し、人民を従え国家統一を果たしていく側面ばかりが強調されるが、国家の繁栄は国民同士が「思いやり」を持って、調和的に活動することに依存しているのである。

例えば、野球やサッカーの(プロ)チームを見ればよくわかる。いくら優れた選手がいても、チームとしてのコンビネーションが良くなければ試合には勝てない。

現代の人類は国家という大きな集団の中で生きているだけではなく、会社、地域社会、学校などの集団にも属している。ほとんどの物事が組織・チームの中で動かされ、組織・チームの優劣が勝敗を決定する。その中で「チームワーク」は極めて重要な要素であり、そのチームワークの基盤が「思いやり」にあるのだ。

だから、「思いやり」に勝った集団が、生き残り競争を勝ち残っていくのは当然ともいえる。

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