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年収1200万円夫婦が、4000万円の住宅ローンで「地獄を見た」ワケ

失敗に学ぶ、正しい借り方・返し方

筆者は、都内でフィナンシャルプランナーをしていますが、住宅ローンの返済に困って相談にやってくる人が後を絶ちません。金利は「史上最低」の水準を維持しているにもかかわらず、返済がきついと悩んでいる人が増えているのです。

マイホームを購入するときにはほとんどの人がローンを組みますが、実は住宅ローンには誰もが見落としがちな危険な罠がたくさん潜んでいます。

なぜ、多くの人がこうした落とし穴にはまってしまうのか? 実際にあった事例を元に、その原因と対策をお伝えします。

定年後に収入が激減して…

3年前に都内大手企業を定年退職したFさん(63歳)は、20年前に購入したマンションに妻と二人で暮らしています。購入当時、43歳だったFさんの年収は1200万円。4300万円のマンションを買うために4000万円の住宅ローンを組みました。

妻もパートをしており、Fさんは家計には余裕があると思っていました。毎月、住宅ローンの返済と子どもの教育費、必要な生活費などの支払いを済ませた後に、外食や旅行を楽しむほどでした。ところが、定年をきっかけに家計が大きく狂い始めます。

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定年退職後、再就職をしたものの、現役時代に1000万円超あった年収は300万円に激減。住宅ローンはまだ2000万円超の債務が残っており、年間180万円の返済をしています。さらに、マンションの共益費が年間50万円ほどかかり、年収では生活費をとても賄いきれません。

貯蓄を切り崩して生活費に充てているうちに、退職金はわずか3年で底を尽きてしまいました。とうとう家計が回らなくなり、やむを得ず、離れて暮らす息子に助けを求めることになったのです。