2019.11.19
# 日本株

日本株、ここへきて「暴落シナリオ」を警戒すべきワケ

市場の楽観論は危なすぎる
大川 智宏 プロフィール

下期以降に「大幅増益」って…?

コンセンサス予想を集計すると、今期の着地は東証一部で2%の増益を見ている。実態とは真逆だ。

 

そして、問題の景気敏感についても、-2%とわずかに減益を予想しているが、現状の2割減益からすると大幅に上方にかい離している。米中貿易摩擦の迅速な解決、もしくは急速な円安の進展でも織り込んでいるのだろうか。

反面、ディフェンシブについてはやや保守的で、1%の増益という控えめな見立てである。こちらは、前述のように消費増税の駆け込み需要に対する反動減の発生を見越してのことかもしれない。

図:東証一部、景気敏感、ディフェンシブの業績と通期コンセンサス(11月12日時点)

拡大画像表示出所:Datastream

また、この楽観的な収益予想については、テクニカルな理由もある。

特に製造業については、昨年後半に米中貿易摩擦の悪影響が実態経済へと顕在化したため、実績の発射台が低い状態にあるのだ。

具体的な例を挙げれば、製造業の雄であるトヨタと、昨今米中貿易摩擦の関連で名前が頻繁に上がるFA関連の大手ファナックの前期の純利益の推移を見ると、第1四半期を1とした場合、たしかに第3、第4四半期に大きく落ち込む場面が見られる。

トヨタ、ファナックの前期業績の推移(第1四半期=1)

拡大画像表示出所:Datastream

この点を考慮し、さらに米中貿易摩擦の解決期待およびそれに伴う景気の反転、そして円安進行などを織り込めば、下期以降に大幅な増益が実現できるというわけである。

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