孤独死が起きた「事故物件」に入居希望者が殺到するワケ

【短期連載】孤独死の部屋(3)
小泉 カツミ プロフィール

これはどういうことを意味するのか。有馬さんは、「この傾向はいずれセルフネグレクト(自己放任)に陥る危険性があります」と言う。

「孤独死や社会問題となっているゴミ屋敷。このほとんどが、ごく普通に生活していた人たちなんです。それがセルフネグレクトと呼ばれる状況に陥ると、第一段階として社会への関心が薄れ、次第に自分自身にも関心が持てなくなります。生活環境も自身の栄養状態も悪化していく一方でも、周囲に助けを求めない。果てはそのまま亡くなってしまうというケース。そういった、孤独死予備軍と呼ばれる人たちへのケアが至急必要なのではと考えています」

 

ルール作りが必要

「事故物件」にも業界のセオリーを作っていく必要がある――。そう前出の佐藤さんは指摘する。

「今はまだ、事故物件についてのルールは不透明な部分が多く、『事故物件になってしまったから、この金額と言われてもしょうがないよね』というのがオーナーさんや事故物件を相続された方の正直な思いなんです。なかなか、そのグレーな部分は払拭できません。

心理的瑕疵の告知の義務のルールも曖昧なので、行政に提案して、自殺ならこう、孤独死ならこうというルールを作っていく必要があると考えています。国としても、高齢者の一人暮らし、孤独死の問題というのは大きな課題ですし、住宅確保困難者の不動産需要の促進という意味からも意義があるのではないでしょうか」

今後、「孤独死」の問題はさらに大きな問題となっていくことは間違いない。一人暮らしの人は、せめて「自分だけはそうなるはずがない」という幻想を払拭し、現実的なリスク回避を考えていた方が賢明だろう。