孤独死が起きた「事故物件」に入居希望者が殺到するワケ

【短期連載】孤独死の部屋(3)
小泉 カツミ プロフィール

事故物件を厭わない人たち

敬遠されやすい事故物件だが、あえてそういう物件に住みたがる人も少なくない。どのような人たちのニーズがあるのだろうか。前出の佐藤さんは言う。

 

「これまでは、家賃の安い事故物件を見つけるためには、不動産会社をはしごして直接尋ねるしか方法がありませんでした。ネットで簡単に検索できるようになったことで、多くの問い合わせをいただいています。

事故物件を借りたいという方は、若い単身者世帯や、DINKs世帯(共働きで子供を意識的に作らない、持たない夫婦)などが多い印象です。老後のために、家賃をできるだけ抑えてお金を貯めたいというドライな感覚の方も増えています。

また、子供が独立したタイミングで住み替えを検討していて、リノベーションしてあれば気にしないという高齢の方もいらっしゃいます。高齢や不安定な収入、前科などの経歴を理由に部屋を借りるのを断られてしまった『住宅確保困難者』の方から相談を受けることもあります」

「面倒臭くなった」

また、「成仏不動産」では、SNSを利用して「孤独死」に対する意識調査を行っている。同じくサイトを運営する有馬まどかさん(27)に聞いた。

「回答数は多くなかったのですが、60歳〜89歳の男女のみなさんが答えてくれました。それによると、傾向としては、シニア層の一人暮らし世代は孤独死を身近に感じてはいるものの、当事者意識はとても低いことがわかりました。回答者のうち、一人暮らし世帯の割合は、60代が約47%、70代が28%、80代の50%となっています。

一人暮らし世帯で、積極的に社会的コミュニティと関わっていない人の割合は、全体の44%と高い水準になっていて、理由としてもっとも多いのが『面倒臭くなった』というものでした。また、地域住民と関わっていない人全員が孤独死を身近に感じているという結果が出た一方で、孤独死しないための取り組みについては『興味がない』と答える人が圧倒的に多いという結果となりました」