孤独死が起きた「事故物件」に入居希望者が殺到するワケ

【短期連載】孤独死の部屋(3)
小泉 カツミ プロフィール

生まれ変わる事故物件

ここに事故物件となったものの、大幅にリフォームされて生まれ変わった物件がある。東京都調布市にあるワンルームの賃貸アパートだ。まるで新築さながらに綺麗に仕上げられた部屋に、「事故物件」のイメージはない。

東京都調布市で孤独死が起き、リフォームされたワンルームアパート(提供:成仏不動産)
 

一連の記事で取材してきた、「事故物件」専門の不動産紹介サイト「成仏不動産」を運営する佐藤祐貴さん(31)が言う。

「ここは、離婚した60代の男性が一人暮らしをしていた部屋で、ご遺体は玄関で見つかりました。おそらく苦しんだ末に、助けを呼ぼうとやっとのことで玄関までたどり着いたところで息絶えたようです」

亡くなった時期は2018年7月、死後2週間は経過していたらしい。同じアパートの住民から「異臭がする」「窓に大量のハエがとまっている」「最近そこの住人を見かけない」という連絡が管理会社にあったために、警察に通報し、元妻立ち会いのもと解錠に至ったという。

「夏場だったので、腐敗がだいぶ進んだようです。玄関のご遺体は溶け切ってしまい、床には這いつくばるように人型の体液が染みついていました。特殊清掃業者さんに入ってもらいましたが、死臭が取り切れない。

このままでは次の借り手を見つけるのは難しいかもしれない…。オーナーさんと相談して、大規模なリフォームを行いました。亡くなられた玄関を中心に大幅に変え、フローリングを張り替えるのはもちろん、壁紙も色も含めて以前とはまったく違うものに取り替えました。場合によっては、『ここで亡くなったんだ…』というイメージを喚起させないように、間取りを変えてしまうこともあります」

特殊清掃、遺品整理に続いて完璧なリフォーム……。「事故物件」の残像を払拭するために、あらゆる手立てが講じられるのだ。