一人暮らしの70代女性が孤独死した東京都内の戸建て(写真提供:成仏不動産)

孤独死が起きた「事故物件」に入居希望者が殺到するワケ

【短期連載】孤独死の部屋(3)

孤独死保険の登場

短期集中連載の第1回第2回はこちら
 

「孤独死」は、ただ人が亡くなっただけではなく、現実的なリスクも生み出す。居住者が亡くなって、流れ出て床に染み込んだ体液や、湧いた虫の除去・消臭・除菌などの部屋のクリーニング代には、数十万円もの費用がかかる。さらに、高齢者の場合は、ゴミ屋敷のように物で溢れていることも多く、遺品整理・処分にも数万〜数十万単位で費用がいる。

体液を除去する特殊清掃が施された孤独死物件の床(写真提供:成仏不動産)

それらを施しても、次の部屋の借り手が見つからなかったり、隣室も含めて大幅に家賃を引き下げる必要まで出てくる。アパート経営者にとっては死活問題である。また、借りる側にとっても、自分が「孤独死」すると、滞納家賃から、クリーニング代、遺品整理費用などの損害賠償請求が遺族に行くのは不本意なことに違いない。

そこで、登場してきたのが「孤独死」によるリスクを保証する「孤独死保険」だ。通称「ミニ保険」と呼ばれるもので、「孤独死現況レポート」を公表した少額短期保険会社を中心に取り扱いが急増している。これには、家主や管理会社が加入する「家主型」と賃貸住宅の入居者自身が加入する「入居者型」がある。

例えば「家主型」だと1戸室当たり年間保険料3600円で、遺品整理費用・原状回復費用について1事故限度100万円、家賃保証について1事故限度200万円といった保証を受けられる。「入居者型」は、賃貸入居時の火災保険の中にも「孤独死保険」が入っているケースもあるようだ。これは通常の火災保険に、死亡による修理費用(50万円を限度)や遺品整理費用(50万円を限度)の保証が含まれたプランである。