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これは何かの冗談ですか? 日本の「アート教育」現場での驚きの実態

黒は色じゃないって、ウソでしょ
松井 守男 プロフィール
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もし黒を否定するなら、墨だけであらゆるものを描く水墨画は絵じゃないということになってしまいます。もし指導する人が神様ならば、そうした指導をしても、しょうがないけど、ただの役人じゃないですか。

 

そこで思い当たることがあります。1920年代のエコール・ド・パリの時代、当時のパリの画壇を代表する画家、藤田嗣治のことです。藤田は東京美術学校(現東京芸術大学)で絵を学びましたが、当時の教授だった黒田清輝らは明るい絵を奨励し、黒の絵の具を使うことには否定的だったといいます。それで黒を使った藤田の学生時代の評価は低く、藤田は不満を抱えていたそうです。

それはともかく、もし明治時代の指導が今も生き残っているとしたら、いまだに日本の美術教育は明治時代の亡霊が支配していることになりますね。ああ。

絵から光を出す。それがプロの絵描きというものです。それも黒を使って。

黄色とか、赤とか、きれいな色ですね。でも、それだけを使うのではなく白と黒で明るい色を出す、光を出す。これがプロの出発点なのです。