早稲田大学「教員公募の闇」書類選考で落ちた男性が訴訟を起こした

選考プロセスが不透明すぎる
田中 圭太郎 プロフィール

「形だけの公募」の可能性も

日本の場合は文部科学省が国立大学を予算で縛り、厳しく管理している。私立大学に対しても助成金で管理・監督はしているが、自治の原則から実質的には投げっぱなしの状態だ。

その結果、公募を推奨する文部科学省に忖度した私立大学が、「形だけの公募」をしている可能性があるのだ。岡山教授は、この中途半端な状況に問題があると指摘する。

 

「日本の大学の80%近くを占める私立大学のなかには、地方にある小さな大学も含まれます。全国津々浦々の大学で公募が行われ、その選考の公正をCNUのような組織が外からチェックできる仕組みができれば、大都市の大学にいるポスドクや非常勤講師にも専任のポストを得られる機会は増えるはずです。

『採用の自由』にこだわる大学は、公募をしないで一本釣りで教員を採用すればよいのかもしれません。でもそれでは、多くの有能な研究者に専任教員への道が閉ざされている今の状況を変えることはできません。早稲田大学のように大都市にある大手私大は、文科省の方針に安易に追随するのではなく、公募制をきちんと整備することを文科省に求めるべきではないでしょうか」

日本の大学教員の公募には、その公平性と透明性について深い闇が存在する。Aさんが早稲田大学を訴えた裁判が、公募をチェックする仕組みを作るための議論の糸口になるのかどうか。選考プロセスや前任の教授が選考に関わった疑いについて、裁判所がどう踏み込むのかが鍵になりそうだ。