11月22日 英国の生物学者A・S・ハクスリー誕生(1917年)

科学 今日はこんな日

地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

イギリスの生物学者アンドリュー・フィールディング・ハクスリー(Andrew Fielding Huxley、1917-2012)がこの日、ロンドンで生まれました。

【写真】
アンドリュー・F・ハクスリー(ノーベル賞を受賞した1963年ごろ) photo by gettyimages

1930年代末期、ケンブリッジ大学の学生だったアンドリュー・ハクスリーは、同大の研究者だったアラン・ロイド・ホジキン(Sir Alan Lloyd Hodgkin、1914-1998)とともに、プリマスの海洋生物研究所に赴きました。

 

そこで、イカの神経細胞を使い、電圧を固定して電流の変化を記録する「ボルテージクランプ(電位固定)法」によって、神経細胞に流れる電流を測定する実験を続けました。

【写真】アラン・ロイド・ホジキン
アラン・ロイド・ホジキン(ノーベル賞を受賞した1963年ごろ) photo by gettyimages

さらに、その測定結果をもとに計算機を使って数学的なシミュレーションを行って、神経細胞の興奮と抑制についての「イオンチャネル仮説」を理論的に証明したのです。

【図】細胞膜にあるチャネル
細胞膜表面のゲート(イオンチャネル)によって膜電位が発生する様子を示した図 illustration by gettyyimages
【図】活動電位の発生と伝導
活動電位の発生と興奮の伝わり方の概略。Aで活動電位が発生すると、そこに流入したイオンが隣接するBに影響を与える(1)。するとBでもイオンの急速な細胞内への流入が起きて、活動電位が発生(2)。このようにして興奮が伝導されていく(3) 参考:ブルーバックス『新しい人体の教科書』

2人は、この理論を第二次世界大戦後の1952年に発表しました。このことにより、シナプスの研究からやはり膜電位の発生を証明した、オーストラリア出身の神経生理学者ジョン・C・エックルス(John Carew Eccles 、1903-1997)とともに、1963年度のノーベル生理・医学賞を受賞しました。

さらにアンドリュー・ハクスリーは、筋肉の収縮について新しい解釈を可能にする方程式を考案するなど、数々の業績を残して数理生物学の基礎を築きました。

ハクスリーの姓が示すように、彼は知的名門の家で知られたハクスリー家の出で、C・ダーウィンの進化論を弁護したことで有名なトマス・ヘンリー・ハクスリー( Thomas Henry Huxley、1825-1895)は、彼の祖父です。異母兄弟には、作家のオルダス・L・ハクスリー(Aldous Leonard Huxley、1894-1963)、生物学者でユネスコの初代局長だったジュリアン・S・ハクスリー(Sir Julian Sorell Huxley、1887-1975)がおり、そうそうたる顔ぶれです。