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いじめ「謝罪の会」とは何か? 知られざるセレモニーで行われること

これで本当に、いじめは解決するのか

いじめ対策NPO「ユース・ガーディアン」代表理事を務める阿部泰尚氏は、これまで6000件ものいじめに関する相談を受け、いじめの加害者・被害者を問わず数多くの保護者や児童生徒、教師と接してきた。

その中で阿部氏が気づいたのが、最近の学校では「謝罪の会」が「いじめ終結」の手段とされるケースが多い、ということだ。しかし、本当に「謝罪の会」でいじめは終わるのだろうか? 氏の最新刊『保護者のためのいじめ解決の教科書』より、知られざるその内幕をお伝えする。

早く幕引きしたい学校の思惑

最近の学校では、いじめを認定した場合、加害生徒に注意を与えたうえで、「謝罪の会」を行うことが多い。これは、先生の立ち会いのもと、被害生徒とその親、加害生徒とその親が集まり、加害生徒が謝罪する、一種のセレモニーだ。

学校としては「謝罪の会」をもって、いじめは解決したといいたいわけだ。しかし、本当にいじめが解決したかどうかは、その後の成り行きを見ないと分からない。

 

文部科学省のガイドライン(平成25年「いじめの防止等のための基本的な方針〈平成29年3月改定版〉」)でも、いじめ行為が少なくとも3ヵ月止んでおり、かつ被害児童生徒が心身の苦痛を感じていない場合にいじめの収束と判断するとしている。

だが学校としては、早く幕引きしたいという意識が強いのだろう、やたらとこの「謝罪の会」を開きたがる。そのため、多くの「謝罪の会」が表面的なものになっているのも事実だ。

とはいえ、「謝罪の会」がまったくの無意味というわけでもない。少なくとも「謝罪の会」の開催は、学校がしっかりといじめを認知し、被害生徒と加害生徒を特定し、加害生徒に指導を行ったという証拠になる。

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「謝罪の会」は通常、関係者だけのクローズドな会だ。たいていは放課後行われる。場所は校長室が多いようだ。このときは視聴覚教室が使われた。私は「謝罪の会」には参加できないので、ここでは、お母さんから聞いた話をもとに、そのときの様子を再現してみたい。