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いじめられている子の保護者を襲う「モンペ認定」の落とし穴

いじめ被害を知ったら、まず何をすべきか

「子供がいじめに遭っていると先生に相談したのに、対処を先延ばししようとしてくる」「学校に訴えても、一向に解決に向かう気配がない」 ──。

いじめ対策NPO「ユース・ガーディアン」代表理事の阿部泰尚氏は、そんな保護者からの悲痛な相談を近年、数多く受けているという。保護者の多くは、現在の学校が「ブラック職場」と化していること、長時間労働で疲れきった先生の中には「できれば、いじめなんてなかったことにしたい」と思っている人もいることを知らない。

学校から「モンスター・ペアレント」扱いされ、わが子をいっそう苦しめてしまう……そんな事態を防ぐために、保護者はどう行動すればいいのか? 阿部氏の著書『保護者のためのいじめ解決の教科書』より、重要ポイントを特別公開する。

「モンペ認定」がいじめ悪化につながる

私が代表を務めるNPO法人ユース・ガーディアンに連絡をしてくるのは、約90%がいじめ被害者のお母さんだ。8%が被害者本人である子供からのもので、それ以外は被害者のお父さんということになる。

小中高でいうと、中学生の親からの相談が全体の5割を占め、残りは小学生と高校生の親で半々といったところだろう。いじめの内容は、仲間外れ、所持品を壊す、直接の暴力とさまざまだ。

私たちは相談内容を聞きながら、適切な対処はなにかを考え、助言する。ただし、電話でのアドバイスでは解決が難しいと感じた場合は、提携しているT.I.U総合探偵社(こちらも私が代表を務めている)に調査を依頼し、協力して解決を目指すことになる。

ユース・ガーディアンの相談は無料だし、探偵事務所が動いた場合の料金もユース・ガーディアンが負担する。相談者の金銭的負担はまったくない仕組みになっている。

 

相談でもっとも多いのが、先生に相談をしたのに、学校がろくに対処してくれないというものだ。

「担任の先生は私のことを『モンスター・ペアレント』扱いしてきます。職員室の別の先生に相談しようとすると、その先生にまで露骨に嫌な顔をされました」

「先生はいじめをする生徒にヒアリングはしたようなのですが、本人が『いじめてません』と言っただけで、なかったことにされました」

「子供の身体にできたアザの写真を撮って見せたのに、『お母さん、考えすぎですよ』と言われてそれっきりです」

たしかに、このような教師は少なくない。大した情報収集も行わず、いじめを行っている生徒を呼び出し、「お前らのしていることはいじめだ、すぐに止めろ」と高圧的に叱りつけるだけで、自分の仕事は終わったと思う者もいるし、注意すらせずにいじめについてのビデオを見せて、対策を行ったつもりになる者もいる。