Photo by iStock
# 説明

相手の心を一瞬でつかめる人の「説明」は何が違うのか?

大事なのは「型」と「感情」の使い方
ビジネスから日常会話まで、あらゆるコミュニケーションの場面で求められる「説明力」。話が長い、何を言いたいのかわからない……そのように思われないためには、どうすればよいのだろうか? 教育学者で、著書『頭のよさとは「説明力」だ』がある齋藤孝氏が勧めるのは、「通説→but」の順で説明する方法だ。出だしから相手の心をとらえるこの説明法について、詳しく教えてもらった。

説明はインパクトが命

上手な説明の応用型に、「通説but」の形があります。

Photo by iStock

「いままでいわれていたことは○○ですが(通説)、しかし(but)実は、△△なのです」という説明の仕方です。

これを説明の冒頭で提示してから、各要素の説明に入っていくというものです。構造としては、以下のようになります。

「いままではこう理解されていましたが、実は〇〇なのです」(通説but)

「それはこういうことです」(詳しい説明 ポイントは最大で三つに)

「たとえば、〇〇です」(具体例、エピソード、データなど)

「つまり、こうなのです」(全体のまとめ)

 

そもそも「論文」と言われるものは、このような形態をとるものがほとんどです。通説を提示して、「実は~」と展開していくものです。

ただ、論文でもこの通説の紹介部分が長すぎると、序論が長すぎて、いつまでも本論に入らない、まどろっこしいものになってしまいます。

説明の際は、この「通説」の部分をコンパクトにすることが重要です。「他社の製品の特長は○○ですが、弊社の商品の売りは××になります」、「○○が高血圧の原因と言われてきましたが、実は△△が原因だったのです」といったように、いかに簡潔でインパクトのある提示が冒頭でできるかが腕の見せどころになります。

その意外性によって、聞き手の心を冒頭からぐっとつかむことができるのです。

こういった手法は、テレビの情報番組やクイズ番組ではよく使われています。

以前、NHKの『ガッテン!』で脂肪について放送していましたが、その冒頭部分は以下のようなものでした。

カナダなどの氷雪地帯に住んでいるイヌイットはアザラシを食べていますが、アザラシは大量の脂肪を蓄えているので、結果的にイヌイットは世界でもっとも脂肪を摂取している人々だといいます。

しかしそれなのに、動脈硬化を起こして心筋梗塞になる人が少なく、血液検査をすると血中のコレステロール値などが低くて健康だといいます。それはどうしてなんだろう、という番組の始まり方でした。