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イージス・アショア、北朝鮮のミサイルの前に「役立たず」の可能性

10年先を見越して再検討を

北朝鮮が5月以降、日本海に向け、ロシアの弾道ミサイル「イスカンデル」を模した新型の短距離弾道ミサイル「KN-23」などの飛翔体を相次いで発射した。また、中東では、サウジアラビア当局が、同国の石油施設が「デルタウイング型」と呼ばれるドローン(無人航空機)で攻撃されたと発表した。

「大気圏内を低高度で飛翔し、可変運動を伴う弾道ミサイル技術」と「ドローン攻撃」という新たな脅威に、日本が配備を計画する陸上配備型イージス・システム(イージス・アショア)は今のままでは対応できない、と筆者は見る。

なぜならば、イージス・アショアには、大気圏外で弾道ミサイルを迎撃するようデザインされたミサイル「SM-3BlockⅡA」しか搭載されず、自らを守る術もないためだ。配備前にもかかわらず、既に陳腐化していると言っても過言ではない。

 

北朝鮮「新型短距離弾道ミサイル」の現状

「北朝鮮は、5月から計9回の短距離弾道ミサイルなどを発射しており、新型と推定される短距離弾道ミサイルが含まれていると分析している」

9月4日に開かれた岩屋毅・前防衛大臣の記者会見。防衛省がHP上で公表する議事録によれば、岩屋氏は5月4日、9日、7月25日、8月6日に発射された短距離弾道ミサイルについて「ロシアの『イスカンデル』に類似している」と指摘、「いずれも固体燃料推進方式で外形上も類似しており、既存の弾道ミサイルとは異なる新型の短距離ミサイルだと推定している」と発表した。

ロシアの短距離弾道ミサイル「イスカンデル」(CC BY-SA 4.0、Photo by Vitaly V. Kuzmin)

また、北朝鮮が「超大型放射砲」と呼称する8月24日の飛翔体は、さらに別のタイプの「新型の短距離弾道ミサイルだと推定している」とし、8月10日と16日に発射されたものは「米国が保有するATACMS(エイタクムス)に類似している、との指摘がある」と説明した。

つまり、北朝鮮が5~8月に相次ぎ発射した短距離弾道ミサイルは、3種類の新型の可能性があるということである。