2012年、一人暮らしの70代女性が孤独死した東京都内の戸建て(写真提供:成仏不動産)

孤独死した事故物件を「相続」するという、とてつもないリスク

【短期連載】孤独死の部屋(2)

自殺と「孤独死」のリアル

第1回では実際に自殺や孤独死が起きた事故物件の現場についてルポした。今年3月に公表された警察庁の報告によると、平成30年の自殺者の総数は、2万840人で、そのうち女性は6550人、男性はその倍以上の1万4290人にのぼり、全体の70%近くを占める。月別の自殺者の推移では、3月がもっとも多く、12月がもっとも少ない。年代別では、50歳代がもっとも多く(17.2%)、次いで40歳代(16.8%)、60歳代(14.8%)、70歳代(14.8%)となっている。

70代女性が孤独死した物件の内観(写真提供:成仏不動産)
 

自殺の原因としては、複雑な原因、様々な要因によって起きるとされているが、健康問題が原因のトップで、次に経済・生活問題、そして家庭問題となっている。
職業別に見ると、「無職者」が全体の56.5%を占め、次いで「被雇用者・勤め人」で30.9%となっている。都道府県別で見ると、もっとも多いのがやはり人口の密集する東京都で、次に大阪府である。

では、「孤独死」はどうだろう。「孤独死」は、「死亡時の目撃がない死亡」と定義される。つまり、家族などに看取られて死亡するのではなく、何らかの理由により一人で死んでしまったケースである。

今年5月に公表された興味深いレポートがある。国内の少額短期保険会社で運営される「一般社団法人日本少額短期保険協会」による「孤独死現状レポート」だ。これは、各保険会社が持ち寄った孤独死支払い案件のデータを統計化し、アパートやマンションなどの賃貸住居内における「孤独死の実像を統計データで示した」初めての資料といえるものだ。