言うほどオワコンか?ユニクロ柳井社長「日本は滅びる」発言の妥当性

「全員が社長」の世界って、幸せなの?
週刊現代 プロフィール

柳井社長がユニクロで推し進めている強烈な成果主義を他の企業にも無理やり当てはめると、組織そのものがバラバラになってしまう。

「『部下には思う存分、仕事で暴れてもらう。もし失敗したとしても、自分が責任を取るだけだ』、そう腹を括る。そして部下が手柄を立てたら、『君はすごいな。私にはそんなこと考えられなかったよ』と、花を持たせる。日本にはそんな上司が多かった。

これはなにも、日本人は優しい、という単純な美談や浪花節の話ではありません。日本人が長い時間をかけて培ってきた豊かな組織運営の知恵なんです。

この風土や余裕こそが、組織にとっての大きなメリットに繋がっていました。ただひたすらにカネ儲けを目指すだけでは、逆に日本は殺伐とした社会になっていくだけです。

経済というのは、人間社会という海の中の、ほんの一滴に過ぎません。世の中や人間の呼吸というのは、その瞬間だけの利益や儲けを追い求めて完結するものではないんです」(前出・吉原氏)

 

「低欲」の時代への危機感

柳井社長は、日本には高齢の経営者が多すぎる、サラリーマン社長が企業のトップをたらい回しして、経済成長を停滞させている、とも警鐘を鳴らす。そして同時に、突出した儲けを出す若い創業者が少ないことも「悪だ」と断じている。

本当にそうなのだろうか。

「経験豊富な経営者が企業のトップに立つことが、なぜいけないのでしょうか。若ければいいという発想がそもそも間違いです。百戦錬磨の経験をしてきた経営者が企業の指揮を執る。それは、会社が危機に立たされたときにこそ活きてきます。

そして、サラリーマン社長が順繰りで生まれるのは、経済が安定している状態だとも捉えられます。わざわざ世の中を不安定な状態に戻す必要が、どこにあるというのでしょう」(コンサルタントで室伏政策研究室代表の室伏謙一氏)

実際、柳井社長は、ユニクロの若手社員に対して「みんなと横並びの意識じゃダメだ。自分が経営者になったつもりで仕事に当たれ」と繰り返しハッパをかけてきた。

その先の独立や起業だってやぶさかではない、そんな口ぶりだ。

だが、本当に社員が次々と独立したら、誰が店頭に立ってユニクロの服を売ってくれるのか。雇う人がいて、雇われる人がいる。誰もが起業したいわけではない。