現在外資系投資会社に勤務する川村真木子さんは、UCバークレー卒業後、長く外資系投資銀行でマネージングディレクターとして活躍してきた「バリキャリ金融女子」。投資銀行で学んだことは自らの人格形成に大きく関わっているという。それはどのようなことなのか教えてもらった。

同僚のみなさんと川村真木子さん 写真提供/川村真木子

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世界情勢はあなたのお金に影響を与える

今回は、世界最大の投資銀行で私が学んだ3つのことをお話しようと思う。

まずは「世の中は金融市場と繋がっている」という感覚を日常的に持つことが出来るようになったこと。日々流れてくるニュースを見て「金融市場」と結びつけると、世の中で起こっていることが具体的に頭に入るようになる。

例えばFacebookのような有名企業が仮想通貨リブラを発表したとき。資金調達はどこからしているのか。株式市場や中央銀行の反応は? ロンドンや香港、東京など他国の金融市場の反応は? 中国はこれにどう対抗するのか。各国の政府や大企業、行政の立ち位置も考えてみるだけで、世の中の見通しが良くなる。

もう少し身近な例だと、「住宅ローンを組んで家を買う」といった人生のイベントなどでも、金融知識が役に立つ。市中の金利や不動産市場を考えたとき、ローンを組むタイミングは正しいのかどうか。この提示された金利は他の金融機関と比べて安いのか高いのか。海外と比べてみるとどうか。

また一見安く見えても、隠れたペナルティや仕組みが入ってないかどうか。借りたあとも、その住宅ローンを放置せずに借り換えを検討したり、金融機関と交渉したり。そういう事に敏感に反応することができるようになった。家など大きな買い物をする時は国内のみならず「国際金融市場」を意識する。将来的な投資も考えた場合、私が今買おうとしている、この東京の不動産は海外に比べて割安なのかどうか、次の買い手はどんな層になりうるんだろう?

ローンの組み方ひとつで支払い金額が大きく異なるのは当然。それが高いのか安いのか、知識が自分を助ける Photo by iStock

例えば、数年前に都内で投資用マンションを買った時は、次の買い手は富裕層の中国人、もしくは日本人の高齢層だと想定して立地条件などを選んだ。高齢者が住みやすいように、近くに病院やスーパーがあって、外国人が住みやすい大使館の多い地域、外国人向けの学校やスーパーのある地域で、なおかつ災害対策として立地条件も考慮し、海抜20メートル以上を必須条件に入れた。これだけ立地にこだわると、当然ながら坪単価はどんどん高くなる。その代わり広さをギブアップした。広さよりも立地の方が高齢者も中国人も気になるところだろうと想定し、家の広さは諦めた。

金融市場という枠組みを通して世の中を見る癖がつくと、色々なことがパズルを組み合わせるように見えてくる。その感覚を得ることが出来たことは、自分の人生において大きなステップになったと思う。