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# アウトドア

「キャンプ&アウトドア」を知り尽くした男が語った「最高の瞬間」

コールマン中里社長に聞いた

コールマンは米国・シカゴに本拠を置く世界的なアウトドアグッズの企業だ。創業は1900年。当時のランタンは壊れやすかったが、同社はこれをリース形式で世に出し、頻繁に点検、故障率を大幅に下げることで顧客の熱い支持を得た歴史を持つ。同社製品を日本国内で展開する、コールマン ジャパンの中里豊社長(47歳)に話を聞いた。

この瞬間を売っている

苦労して何かを実現すると達成感がありますし、それが誰かと一緒なら絆も生まれますよね。

アウトドアって慣れないうちは火をおこすだけでも大変ですが、実はそれも楽しみの一つで、頑張っておこした火で焼いた野菜や肉は格別の味がします。あと、空気がおいしく風が心地よいなかで話し込むと、素に戻れたり、感覚が研ぎ澄まされたりして、思いもしなかった言葉やアイデアが口をつくことがあります。

当社はモノでなく、そんな瞬間を売っているのだと思っています。

当社製品が支持されるのは、世界各国の市場に向けてカスタマイズしているからでしょう。さまざまな環境の国から「こんな製品はないか」「ここを改良してほしい」という要望が寄せられるんです。

 

例えば最近、室内がしっかり暗くなる「ダークルームテクノロジー」搭載のテントが売れています。これは、緯度が高く夏は夜9時、10時になっても明るい国の方から「テント内が明るくて子供が寝てくれない」という声があってつくったものですが、日本で売ってみると「夏の朝もよく眠れる」「暑くない」と大好評でした。

一つの市場ばかり見ていると、発想が凝り固まって新しいものが生まれにくくなるのかもしれません。

父の仕事の都合で高校時代はシカゴで過ごし、帰国後、総合商社に勤めました。しかし「安定した生活を送りたくない」という思いがつのり6年後に退職、1年半ほどタイやインド、オーストラリアなどアジアをはじめとした国々を放浪しました。