アリババ「独身の日」4兆円の売上を達成した驚きの道筋

独自に作りあげたシステムの成果
野口 悠紀雄 プロフィール

「二流のプロ集団が一流の仕事をしている」

マーがやったことは 、ユニークなものが多く、ユーモアが感じられる。

まず名前の付け方だ。「アリババ」という名は、「これが中国の中小企業にとっての『開けゴマ』になるから付けた」というのだが、実にうまいネーミングだ。

 

かつてアリババに勤務した人が、アリババを評して「結党当時の中国共産党に似ている」と言ったことがある。その意味は、「二流のプロ集団が一流の仕事をしている」ということだ。

たしかに発足当初はそうだったのだろう。「アパートの部屋にある品物をかき集めて、サイトを賑やかにした」などという話を聞くと、「二流のプロ集団」の姿が彷彿とする。

もちろん、現在アリババで仕事をしている人々は、「二流のプロ」とは言えない。AIを駆使し、われわれには想像もつかないような最先端の世界を広げつつある。

しかし、「二流のプロ集団」の雰囲気は残っているように想像される。「独身の日」のセールスも、その一例だ。これは、それまでも学生の間で言われていたジョークだから、多くの人が知っていることだったのだろう。

ただし、それを取り上げて、ビジネスに結びつけるのは、真面目一方の研究者やエンジニアには思いつかないことだ。

巨大で最先端になりながら、そうしたことができる企業は強い。

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