通貨異変、日本円がここへきて「人気凋落」が止まらないワケ

地盤沈下が始まった
唐鎌 大輔 プロフィール

「円の不人気」だからと言って円安シナリオなのか?

「円の不人気」の背景にそもそも動かなくなってしまった相場があるとして、その根本的原因はどこにあるのか。

(1)そもそも円(≒日本経済≒アベノミクス)にテーマ性がない、(2)基礎的需給が拮抗しており「振れ」が構造的に出にくい、(3)金利が消滅している通貨を触る理由が無い(だから取引自体が細っている)などあろうが、正解は分からない。

しかし、上述したような悪循環に嵌まっており、「円の不人気」がさらに動かない相場を助長にしているという可能性は留意したい。

 

なお、調査対象となった4月は今年の中でもとりわけ動意のない時期だったが、冒頭述べたように、結局は史上最小レンジという状況が足許で変わっているわけではないため、恐らく他の月で調査をしても結果に大差はないだろう。

しかし、「動かない理由」を分析したところで今後の論点が米経済、ひいては米金利の行方にあることには変わりない。為替市場における「円の不人気」は覆い難い事実になりつつあるものの、「なかなか円高にならない」ことをもって円安シナリオに鞍替えすることが適切なのかどうかは逡巡するものがある。

本欄は「円の不人気」がテーマゆえ、2020年見通しは別の機会に譲るが、世界的に物価が上がりづらくなっており、それゆえに中央銀行が利上げを検討しづらくなっている情勢は何ら変わっていない以上、「FRB利上げ→米金利上昇→円安・ドル高」という展開も難しいのではないかと筆者は思っている。