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閲覧注意…戦前の日本人が残した「天皇家の都市伝説」その過激な内容

不敬罪に問われる危険もあったが…

天皇家に関する「都市伝説」

2019年10月下旬から11月下旬まで、この1ヵ月間は皇室行事尽くしだった。

10月22日に開催された即位礼正殿の儀は、雨天の中の開催となったものの、平成から令和への代替わりを象徴するものとして諸外国からの参列者を集め、また儀式を放映したNHK番組が関東地区で平均視聴率22.8%(ビデオリサーチ調べ)を記録するなど、大きな注目を集めた行事となった。

一方、前回の平成の儀式から大きく変わったこととしてはインターネットの普及が挙げられ、政府でも儀式をネット配信するなどしている。

それに合わせてかネット上でも、儀式の最中に東京上空の晴れ間から虹が見えたことに神秘性を感じて盛り上がったり、儀式の進行や天皇皇后はじめ参加者の服装や小物などを考証したツイートに注目が集まるなど、様々な様相が窺えた。

続いて11月9日に開催された「天皇陛下御即位をお祝いする国民祭典」では芸能人や有識者、民族芸能団体などが多数参加した。人気アイドルグループの嵐が奉祝曲 組曲『Ray of Water』の第3楽章「Journey to Harmony」を歌唱し、大きな注目を集めたのも記憶に新しい。翌日には祝賀御列の儀(パレード)が行われている。

 

そして、11月14日から15日にかけて、大嘗祭が行われた。この儀式については外部に明らかにされていないことが多く、折口信夫ら始め多くの学者たちがこの儀式の内容や意味するところについて様々な説を唱えている。

元々、天皇家・皇族には注目が集まりやすいとはいえ、文字通り一世一代と言える大行事は日本人の心に訴えかけるものがあるようだ。

しかし、例えば先述の 即位礼正殿の儀では、雨天と虹に関して「三種の神器の一つである草薙剣(天叢雲剣)には雨を降らせる力がある」との俗説が広まったり、海外からの参列者の格式について以前からの優劣があるのか、あるいは安倍晋三総理大臣が天皇の前で行った「万歳」の形式について正しいのかといった議論が広まるなど、多くの俗説・伝説が拡散した。

大嘗祭に至っては、それこそ儀式中の一挙手一投足が様々な説に彩られている。儀式の外でも、キリスト教関係者や一部団体によって政教分離の観点に立って抗議が行われたり、2018年11月には秋篠宮文仁が国費で行うことへの疑問を示すなど、そもそも議論の多い行事でもある。

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週刊誌で度々報じられる生々しい皇室ゴシップと並び、生ける象徴として宗教的・神秘的に振舞っている天皇家の周辺には現代においても様々なハナシが渦巻いている。

特に、今より遥かに「天皇」その物の存在が大きかった戦前においても、不敬罪に問われる危険もあるにもかかわらず様々な伝説・ゴシップが渦巻いていた。それらは裏返せば、人々がいかに天皇家に関心を寄せていたかという証拠とも言えるのだが。

ここでは、戦前、特に日中戦争期から終戦までに広まっていた、言わば「天皇家に関する都市伝説」を、特高月報に記載された実例なども交えつつ紹介したい。