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脳の神経細胞を壊していく老廃物「アミロイドβ」って何者?

侵略から守る秘訣は"睡眠"だった

長い長い時間をかけてゆっくり進んでいくアルツハイマー病。脳を検査すると、たんぱく質「アミロイドβ」の蓄積が高確率で見られることから、発病との関連性が深いと考えられています。

では、その正体は解明されているのでしょうか? 病気との関連は? ため込まない方法ってあるの?

謎の多いアルツハイマー病を、深い関連性が疑われるアミロイドβの観点から見ていきたいと思います

アルツハイマー病になった脳はどうなっているのか

人間の脳には1000億個以上とも言われる膨大な数の神経細胞が集まっています。脳の働きは、この神経細胞どうしが信号を伝えあうことで、維持されています。アルツハイマー病では、この神経細胞が大量に減少・死滅するために、脳の働きが低下することから発症します。

 

ある程度進行したアルツハイマー病では、脳を構成する神経細胞の減少・死滅によって、脳に全般的な萎縮が生じます。

【写真】84歳男性CT画像
  アルツハイマー病になった84歳男性の脳CT画像。健常な場合はわずかな隙間として見られる脳の溝が大きく開いていることから、萎縮が起きていることがうかがえる photo by gettyimages

アルツハイマー病というと、脳の萎縮を思い起こす方も多いと思いますが、実は萎縮が起こるずっと前から、アルツハイマー病特有の変化が生じています。

いったいどのような経過をたどって、萎縮に至るのでしょうか?

アミロイドβと沈着したシミ〈老人斑〉

アルツハイマー病は、アミロイドβというたんぱく質の神経細胞周囲への沈着が発端となります。アミロイドβは老廃物の1つで、神経細胞を死滅させる毒性を有しています。通常は睡眠時に洗い流されるので、脳内にたまったままにはなりません。