死は必ず来る。死ぬ瞬間はつらいのか、痛いのか、それとも幸福なのか

すべての先人たちが直面した悩みと現実
週刊現代 プロフィール

昨年10月の刊行以来、日本語版が20万部を超えたベストセラー『「死」とは何か』(文響社)のなかで、イェール大学のシェリー・ケイガン教授は最後にこう記している。

「私たちがあまりに早く死んでしまう可能性が高いことはたしかに悲しみうるが、私たちがこれまで生きてきたのはまさに信じられないほど幸運であることに気づけば、その悲しみの感情は相殺されてしかるべきかもしれない」

死を意識し、今の「生」を楽しもうではないか。

 

死んだあとの世界をどう考えるか

死後の世界はあるか。実は、仏教の創始者・仏陀ですらこの問いに明確な答えを出せていない。

「この世に死を経験した人はいません。仏陀は正直に『滅びてしまった(解脱した)者の行き先はわからず、言葉が届かない』と言うのです」(霊泉寺住職・南直哉氏)

死後の世界について考えるとき、(1)あの世がある、(2)(あの世などなく)すべてが無に帰す、(3)(あの世はないが)自然に還る、(4)わからない、の4つの態度がある。

最初に断っておくが、正解はない。ただ死んだあとの世界をどう考えておくかは、よい死に方と直結している。

(1)あの世がある、と考える人はどれくらいいるか。統計数理研究所が'13年に実施した日本人の国民性調査では、約40%の人が、あの世を「信じる」と回答し、「信じない」の33%を上回った。

東大病院の救急部長として臨床の現場で日常的に死を見てきた前出の矢作氏も、あの世の存在を確信する一人だ。

「死は、霊魂が肉体を離れて『あの世』に行くことです。我々の生きる世界は競技場のようなもので、あの世は観客席だと考えられます。人生という苦しい競技を終えると、霊魂として観客席に戻り、また競技をしたくなったら現世に出る。

それに、人生は一度きりだと考えるのはあまりにも理不尽です。災害や事故で突然亡くなることだってある。『死は終わりではなく、魂は永遠に生き続ける』と考えることは現代人にとって大きな救いになるでしょう」

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