死は必ず来る。死ぬ瞬間はつらいのか、痛いのか、それとも幸福なのか

すべての先人たちが直面した悩みと現実
家族や友人を見送った経験はあっても、自分自身は絶対に経験したことがないのが「死」だ。その本質を深く知ることで、よりよい死だけでなく、よりよい生を送ることができる。

死の本質は「3種類」ある

白衣姿の医師が聴診器を胸に当て、心音停止と呼吸音停止が確認された。ペンライトで瞳孔に光を当てても、その大きさは変わらない――。医師は時計に目をやりながら宣告するだろう。

「ご臨終です」

このとき、あなたは物理的に死んだことになる。誰にも等しく、この日は必ず訪れる。ただし、それはいつなのか?その間際、あなたはどういう気持ちになるのか?そして、死後、あなたはどうなるのか?死とは何か?

 

こうした疑問に対して、本当の正解は存在しない。体験者がいないからだ。死の謎は、人を不安と恐怖に陥れる。

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だから仏教は輪廻転生を説く。死者はまた生まれ変わり、さらに死んで生まれ変わる……。キリスト教やイスラム教は、信じるものは死後に天国に行けると説いている。

だが、それでも人は不安なままだ。東京大学名誉教授の医学博士・矢作直樹氏は、「人が死に関して感じる恐怖は3種類あると思う」という。これこそが、死の本質だ。

(1)死ぬまでのプロセス
(2)よくわからない死後
(3)残される人との別離

まず(1)。死の直前に苦しむのではないか、のたうちまわるのではないかという恐怖がある。痛みのなか、無念のまま、人は死ぬのか?