消費増税のウラで、大企業は「消費税の還付金」で大儲けしていた

トヨタもパナソニックも日立も…
週刊現代 プロフィール

もっと社会に還元してよ

アメリカの批判を受けても、日本政府は特に還付金を見直すつもりはないようだ。
前出・浦野氏も次のように言う。

「トランプ大統領は、自動車への輸入税率を上げない代わりに、日本が輸入する農作物の関税を7600億円も撤廃させたうえで、もっと購入することを要求しています。日本政府はこれを飲むと目論んでのことでしょう。

もしこれが実施されれば、政府はトヨタやホンダといった、実質的な補助金を受け取っている企業を守り、中小の事業者も多い大切な農業を犠牲にしたことになります。これが正しい判断といえるのでしょうか」

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そもそも、私たちが結果的に負担している消費税自体、国民の生活にきちんと還元されているとは思えない。

鹿児島大学の伊藤周平教授は言う。

「今回の消費増税の理由について、政府は『社会保障の充実』を挙げました。ところが、消費税が5%から8%に増税された際も、実際に社会保障に充てられたのは、増税額の16%程度でした。

残りのほとんどは年金の国庫負担分、そして国債の返済に使われた。消費税は特定財源でもなく、国庫に入ってしまえば、どのように使うかは政府の裁量次第です。

反対に、法人税は年々引き下げられており、輸出免税制度のように大企業が恩恵を受ける制度も多い。これから増える社会保障負担を、政府が企業ではなく個人から取るというのは公平性を欠きます」

 

'89年に消費税が導入されて、今年で30年になる。その間、法人税の基本税率は40%から23.2%まで下げられた。

30年間の消費税の税収は累計349兆円であるのに対して、'17年度までの法人3税の減税額は累計281兆円だった。消費税税収のおよそ8割が、法人税減税の穴埋めに消えてしまったのである。

「これだけさまざまな優遇を受けているのですから、大企業は従業員や下請けにもっと還元する方法を考えてもいいとは思うのですが」(前出・浦野氏)

消費増税に苦しむ国民、還付金にほくそ笑む大企業。こんな制度がいつまでもまかり通っていていいはずはない。

「週刊現代」2019年10月26日号より