消費増税のウラで、大企業は「消費税の還付金」で大儲けしていた

トヨタもパナソニックも日立も…
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これら13企業が受け取った還付金の合計は、およそ1.1兆円にのぼる。今回の消費増税では、5.6兆円の増収が見込まれるが、その約20%にあたる金額が、これら大手企業に還流しているのだ。

先ほどの還付金額は、消費税率8%の時のもの。10%に増税した今年からは、さらに多くのカネを受け取ることになる。

どのような理屈で、輸出大企業はこうした優遇措置を受けているのか。前出の消費税還付金額を推計した、元静岡大学教授で税理士の湖東京至氏が解説する。

「消費税は、商品を購入した人が税務署に直接納めるものではありません。企業が受け取った消費税額から、仕入れ税額を引いたものをアバウトに年間計算して納税します。

ただし、国際的なルールで、輸出した商品の価格に消費税は転嫁できないことになっています。

税務署に申請するとその転嫁できない分が還付金として戻ってくるわけですが、特にトヨタのような大手の輸出企業だと、数千億円単位の莫大な金額になる。

輸出企業、特に大手が恩恵を受けられる仕組みになっていることを考えれば、実質的な『輸出補助金』と言っても過言ではありません」

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利息分までもらえる

具体的に整理すると、次の通りになる。50万円の商品を下請けから仕入れたとき、メーカーは消費税率10%を上乗せし、55万円を下請けに支払う。下請けはこの売り上げから5万円を税務署に納める。

メーカーはそれを加工し、税込み110万円の商品を作ったとする。国内では販売に際し、消費税10万円を消費者から受け取る。

10万円から仕入れの際、下請けに払った5万円を引き、残る5万円をメーカーが税務署に納める。これを年間でまとめて計算して支払う。

一方、海外に輸出する場合は輸出免税により価格は税抜きの100万円となるため、仕入れの際に支払った5万円が相殺できない。これを国庫から還付金として補填する、というのが、輸出免税制度の仕組みだ。

 

税務署に質せば、「本来支払う必要がなかった税額分を企業に返しているだけ」と答えるだろう。たしかに輸出を行う企業であれば、大手に限らず還付自体は受けられる。だが、輸出金額が大きいほど、企業が得をする可能性が高い。

というのも、この消費税還付金には、年率1.6%の利息に相当する「還付加算金」が上乗せされて戻ってくるからだ。'18年度分で3683億円の還付を受けるトヨタを例に取れば、単純計算で約59億円が利息として入ってくることになる。

同社の'18年度の純利益は約1.9兆円。これだけ稼いでいて、なおも利息を苦労なく手にするわけだ。