『宇崎ちゃん』と「オバマの苦言」炎上騒ぎに誰もが加わるべきか、否か

感情を「ハッキング」されていないか

「あなたも自分の立場を決めるべき」?

「微妙な表現」を含む広告の炎上が、日常茶飯事になっている。

最近だと、献血キャンペーンのポスターに「胸を強調した」女性キャラクターが起用され、批判の的になった。日本赤十字社と漫画『 宇崎ちゃんは遊びたい!』(KADOKAWA)とのコラボレーションによるポスターであり、街中でこれを目にしたという米国人男性が、Twitter上で「がっかりした(disappointed)」などと批判したのが炎上のきっかけだった。

ネット上では、「環境型セクハラ」「過度に性的」といった投稿が相次ぎ、それに対して「性的誇張ではない」「表現の自由の侵害だ」といった反論も続出した。

このようなサブカルチャーとのコラボだけでなく、著名な作品の起用であっても、漫画やアニメキャラクターなどのイラストを使用した広告が多かれ少なかれ批判の対象となり、炎上することが増えている。

 

公共の場所における表現について、その表現内容の妥当性や、「不意打ち」を避けるためのゾーニング(公開範囲の制限)について議論することが有益である点には、筆者も異論はない。

しかし、ソーシャルメディアというプラットフォームの持つ、「炎上しやすい」性格については懸念がある。Twitterをはじめとするソーシャルメディアでは、様々な社会問題や個人の異議申し立てが、あたかも「あなたも今すぐ自分の立場を決めて〝参戦〟すべき最重要案件」であるかのように、目の前に現れることが多い。これが陣営間の対立をあおることになる。

誰もが「シェア」と「いいね!」で意思表明をすることに躍起になり、ネットニュースがいっとき取り上げるなどした後、また次の「炎上案件」に興味が向かうというサイクルが、数日のスパンで繰り返されているのが現状だ。いわゆる相互理解などというものには程遠く、不毛だと感じ始めている人も少なくないだろう。