「インスタ映え」が食品ロスを増やす…残念すぎる事実が実証された

「食べ残し」という深刻な問題
藤倉 まなみ プロフィール

食品ロスは世界の課題

食べる以外の目的で食品が購入され、廃棄されて問題になった例に、1980年代のビックリマンチョコがある。おまけのシールが爆発的な人気となり、シールだけを抜き取りチョコを捨てるなどの現象が起き社会問題になった。この件は製造事業者が公正取引委員会の指導を受け収束したが、SNS掲載目的の食べ残しは社会全体の課題として取り組む必要がある。

 

世界では、約8億人の人々が栄養不足状態にあるが、日本の食品ロスだけで全世界の食料援助量(約320万トン)の約2倍にのぼる。そして、国際連合食料農業機関(FAO)によれば、世界では、農業生産から消費までの全ての段階で、食料生産量の3分の1にあたる約13億トンが毎年廃棄されており、特に先進国ではかなりの割合が消費段階で無駄にされている。

そこで、国連では、2015年9月に策定した「持続可能な開発目標」(SDGs)の中で、「2030年までに小売・消費レベルおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減」させるという目標を設定している。

食品ロスの発生は単にごみが増えるという問題にとどまらない。食料の生産のための農地は森林等が切り開かれたものであるし、ニホンウナギが絶滅危惧種に指定されたように、大量の漁獲は海洋資源を圧迫する。

食料の生産から流通・廃棄のあらゆる段階で大量のエネルギーを消費しており、その無駄は地球温暖化を加速する。なにより「命をいただいている」という感謝の気持ちと、捨てることはもったいないという意識の醸成が必要である。おりしも、「食品ロスの削減の推進に関する法律」が制定されたが、大量の食料を輸入し、食料の多くを輸入に依存している我が国として、真摯に取り組むべき課題であることを認識して行動する必要がある。

インスタユーザーは映え写真を撮りおわったら完食しよう!

参考:「インスタ映え」料理写真のSNS掲載による食べ残し増加の可能性、廃棄物資源循環学会研究発表会講演集、2018年 29 巻 A8-1

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