2019.11.14
# 格差・貧困

ホームレスの人が一番怖いものが「私たち」だって知っていますか?

「恐れと不安」が連鎖する社会
飯島 裕子 プロフィール

台風をどう乗り切っているのか

台風の最中、彼らは一体どうしているのだろう? 今年だけでも数回、東京は台風に襲われている。台風だけではない。真冬の東京は外に寝ていたら凍死する気候だ。毎年路上で命を落とす人がいるのも事実だが、自然の猛威に対して何とかやり過ごす術を持っているホームレスの人も少なくない。いざという時、ネットカフェに泊まれるようにお金を用意している人もいる。

しかし今回の台風はいつもと違っていた。計画的に電車が運休し、コンビニやファストフード店等も閉店したことが、駅構内や終夜営業店でやり過ごしていた人たちにとっては致命的だった。昨年大阪も巨大台風に見舞われたのだが、昼間だったため、商業施設等に避難することができたという。

〔PHOTO〕Gettyimages
 

こうした事態は今後も十分想定される。それだけに路上ホームレスをはじめとした定まった住居がない人たちに対する避難計画は早急に検討されるべき課題であるだろう。 

彼らはわれわれ社会に対し、恐れを抱いており、われわれもまた彼らを恐れている——恐れは知り合うことである程度縮めることができるはずだが、非常時にいきなりというのは無理がある。そのためにも日常的に出会う機会を作ることが理想的であるだろう。

たとえば大阪では子どもが野宿者の人をおにぎりを持って訪ねる「子ども夜回り」が行われている地域がある。中高生が公園に寝ていた野宿者を襲撃したことをきっかけに始まったものだが、日常の中で出会うことによって、彼らは私たちと変わらない存在であると知ることは重要である。

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